習い事先の強制わいせつ被害による使用者責任の追及と慰謝料請求について

娘が習い事で先生から強制わいせつ被害にあいました。
警察に行く前に習い事先の本部の方や加害者と話合いをし罪を認めました。
警察にも行き捜査中ですが、逮捕されなければ習い事先へ使用者責任の追及はできませんか?
被害は、膝の上に乗せられ股間を娘の股間に押し付けたり、ハグされたり、頬にキスされることが2回ありました。

使用者責任の追及できるとしたらいくらぐらいの慰謝料がとれますか?

よろしくお願いします。

近時、性犯罪に関する刑法等の改正がなされました。不同意わいせつ罪の法定刑は「六月以上十年以下の懲役」であり、罰金刑のない犯罪です。それだけ重い犯罪と言えます。

【参考】「性犯罪関係の法改正等 Q&A」(法務省サイト)
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html

 刑事事件(刑事処罰されるか、逮捕されるか)と民事事件(使用者責任等の損害賠償責任)は法的には別の手続きのため、加害者が逮捕されていなくとも、加害者の勤務先に使用者責任を追加することは法的に可能です。
 明確な相場が形成されているわけではありませんので、手続きの状況(刑事処罰の有無、示談交渉か民事訴訟か等)、加害者•使用者側の視力、加害者•使用者の応戦状況(訴訟での決着を求める度合い等)等の諸事情を踏まえた適切な対応を要しますが、100万円前後(50〜150万円)が一つの対応の目安となるかと思います。事案の悪質性やお嬢様の被害の程度(精神的被害や通院状況等)によってはさらなる増額の余地があるかもしれません。
 
 慰謝料を請求されたいとのお気持ち、ごもっともかと存じます。ただ、警察の捜査の行方を見極めつつ、慰謝料等の損害賠償請求のタイミングを検討していくべきご事案と言えます(刑事処罰を望む場合、起訴前に拙速な被害弁償や示談を受け入れてしまうと、起訴に影響する可能性があるので、留意が必要です)。
 ご事案の性質上、弁護士との直接面談をしていただき、適切なアドバイスを受けていただくのが望ましいご相談と思います。
 被害者が相談•依頼する場合のサポート制度として、①委託援助(刑事事件対応に関する費用のサポート制度)•②民事法律扶助(損害賠償請求等の民事事件に関する費用のサポート制度)•③国選被害者参加弁護士制度(刑事裁判対応に関する費用のサポート制度)等が適用できる可能性があるご事案ですので、一度、犯罪被害の分野に精通している弁護士に直接相談なさってみて下さい。
 現時点であれば、委託援助制度を利用する等して、弁護士にあなたの代理人になってもらい、相手方との交渉や刑事事件対応にあたってもらうことが考えられます(不同意わいせつ罪は重い犯罪類型ですので、刑事処罰を求めるお気持ちもあるようであれば、あなた側の代理人に強気で交渉にあたってもらうことも考えられます)。

ご丁寧な説明ありがとうございます。
もうしばらく警察の捜査状況をみながら弁護士の先生に相談に行こうと思います。