相続放棄が可能な3ヶ月以内の起点は、負の財産があった事実を知ってから3ヶ月以内でしょうか?

1/1元夫が他界しました。元夫は数年前に再婚しておりますが子供はいません。私には未成年の子供が一人おります。これから財産分割協議に入りたいとは思っておりますが、元夫に万が一、負の財産があった場合、その事実を知ってから子供は相続放棄を3ヶ月以内でできますでしょうか?それとも亡くなってから3ヶ月以内でしょうか?

負の財産があることを知らなかった場合、知ってから3か月になりますが、その場合、
知らなかった事情について、相当な理由があるなど合理的な説明が求められます。
裁判所が納得すれば、相続放棄が認められるでしょう。

早々にご回答ありがとうございます。
元夫の現配偶者と連絡が取れず財産状況について何も情報が得られないままです。これもきちんとした理由になりますでしょうか?

お子さんが未成年の場合、民法917条により、「その法定代理人が未成年者のために相続の開始があったことを知った時から三箇月を起算します。
 「相続の開始があったことを知った時」とは、単に元夫が亡くなったことを知ったときではなく、負債があることがわかった時と解釈できる余地があります。
 元夫の現配偶者と連絡が取れず財産状況について何も情報が得られないままというご事情は合理的な理由として考慮される余地はあるでしょう。
 ただし、厳密には、あくまで、親権者のあなたが負債があると知った時を「相続の開始があったことを知った時」と裁判所が解釈した場合に救済されるため、解釈勝負をしようとすると心許ないところがあります。
 そこで、焦らずに安心して対応できるよう検討期間を延長してもらう方法があります。すなわち、民法915条1項ただし書に基づき、管轄の家庭裁判所に相続の承認又は放棄をすべき期間を伸長する申立てをすることにより、3ヶ月よりも相続放棄をするか否かを検討する期間を伸ばしてもらうことができます。
 なお、この伸長の申立てをする家庭裁判所は、相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所となります。

【参考】相続の承認又は放棄の期間の伸長(裁判所サイト)
 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_25/index.html

【参考】民法
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

第九百十六条 相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。

第九百十七条 相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第九百十五条第一項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。