婚姻費用の決定について教えてください

40年連れ添った熟年夫婦です。モラハラ夫から急に、離婚をしろ、出て行けと家を追い出されました。お互いに不貞等はありません。夫が離婚調停を申し立てて、調停が数回ありましたが、財産分与について条件が全く合わないため離婚しませんと伝え不成立になりました。現在は、婚姻費用について調停中です。
夫は現在も仕事をして収入を得ています。お互いの年収から、私が頂ける婚姻費用は約20万円が相当額のようです。ですが、主人は下記のようなことを言って、少しでも年収の差を減らして婚姻費用を下げようとしています。
①婚姻費用請求は、夫の個人年金を含めた額を年収として算出しています。夫の言い分では「個人年金は特有財産であり、共有財産ではないため、婚姻費用を算出するための年収は、個人年金を差し引いた額だ」とのことです。それは、まかり通ることなのでしょうか??
②成人した独身の娘がいます。私は、現在娘と同居しています。夫「娘も仕事をして収入を得ているため、婚姻費用は相当額の半分10万円しか出さない」とのことです。そんなことはあり得るのでしょうか?

諸説あるところだと思いますが、当職の見解で回答します。

①給与+年金の場合ですが、
特段年金を差し引く理由がありません。
また、現在調停中とのことで、算定表を目にされていらっしゃるかと思います。
給与と年金を単純に足した金額で計算すべきかどうかですが、
給与の場合、就労するために必要だとされる経費を控除しています。
年金の場合は、この控除をする必要がありませんので、
詳しい計算式は割愛しますが、
単純な足し算をした部分の表よりも多い金額が妥当ということになります。

②婚姻費用は相当額の半分10万円しか出さない
半分というのは合理的な根拠がありません。
算定表上、夫婦のみのもので考えるというのであれば多少はわかりますが。

合意ができなければ審判となりますが、
相手方の根拠のない主張に沿ったものになるとは考え難いと思います。

ご質問ありがとうございます。

②について回答いたします。
親族(両親であることが多いですが。)からの援助は、通常、婚姻費用算定の際に考慮しない扱いになっています。
半分の10万円が妥当か否か以前の問題として、減額自体に応じる必要がない可能性が高いですよ。

ご心配であれば、ご依頼になるかは別にして、お近くの弁護士に直接相談して、アドバイス等を求めることをお勧めします。

お返事ありがとうございます。
②について質問ですが「算定表上、夫婦のみのもので考えるというのであれば」というのは、算定表で10万円が相当額なら…ということでしょうか?
娘が同居しているかどうかは、婚姻費用に関係するのでしょうか?

また私は扶養内のパートタイマーで、数ヶ月後には定年となる年齢です。看護師資格を持ってはいますが結婚してから一度も看護師をしておらず今更看護師をすることはできません。婚姻費用を減額できるのを目的だとは思いますが、私に看護師としてフルタイムで働けと言ってきています。現在的ではないと考えていますが、審判では、私がフルタイムで働くのを前提とした年収として、婚姻費用を決定されてしまうこともあるのでしょうか?

娘さんが同居していることに関しては、娘さんが成人していれば、そもそも、娘さんのことを考慮せずに、算定表上夫婦のみを前提として、
20万円を算出しているのではないでしょうか。
ですので、同居していることは関係しないと思っていただいて構わないと思います。

看護師資格の件は、ご記載の内容からは、看護師としてフルタイムで働く前提で婚姻費用が決まることはないとは思いますが、
弁護士に直接相談して、ご判断いただいた方がいいでしょう。

ご参考にしていただければ幸いです。

・「算定表で10万円が相当額なら…ということでしょうか?」
娘様のご年齢がわかりませんでしたので、念の為で記載しましたが、
その通りです。

・「審判では、私がフルタイムで働くのを前提とした年収として、婚姻費用を決定されてしまうこともあるのでしょうか?」
現実的ではありませんので、そういった事態にはならないと思われます。
ただ、パート退職後の収入、0ベースで算定されるかというと、ここは判断が分かれると思います。フルタイム程ではないにしろ、一定の収入を得る能力(資格と関係なく)はあるとして判断される可能性はあります。

加藤先生、匿名A先生
お返事ありがとうございます。
夫は20万円相当のところを、10万円しか出さないの一点張りですので、このまま審判に進むと予想される状況です。
私は弁護士さんをつけておらず、主人は弁護士さんがついています。審判では、裁判所の弁護士さんが法律にのっとり決定して下さると思いますが、弁護士のいる主人と、素人の私の言い分では、私が不利になってしまわないのでしょうか?
調停委員の方に、主張書面にて反論するように言われています。審判では「文章でいかに主張できるかが大切」と言われましたので、素人の私が不利になってしまわないのか心配です。

・「文章でいかに主張できるかが大切」

審判は普段接していた調停委員の二人ではなく、裁判官が行うので、主としてというかほぼ書面で判断することになります。

妥当な金額での審判をお望みであれば、
弁護士にご相談なさってくださいとお伝えするほかないです。
当面は婚費に関してですが、相手方の主眼は離婚ですので、時期を空けて再度調停や訴訟が申し立てられると思います。
今後の事も踏まえてご相談されてみるのもよろしいかと思います。

相手の主張が不合理であれば、相手の主張は認められないでしょうが、
その不合理であることを含めて、ご質問者様として的確な反論ができれば、
より、ご質問者様の主張が認められやすくなることは確かです。

弁護士費用の面のご懸念もあると思いますが、弁護士にご依頼になることもご検討いただくといいと思います。

加藤先生、匿名A先生
とても分かりやすく教えて頂きありがとうございました。また困った際は、よろしくお願いします。