飲み屋での事故によるトラブルの対応方法について相談したい
先日、飲み屋にて私自身が吐き気を催し、トイレに向かったところ、トイレが空いておらず、並んでいた方に「並んでいます。」と声をかけられ、「すいません。」と話したタイミングで嘔吐をしてしまい、相手方(2名)に吐瀉物を掛けてしまいました。
当日、謝罪をし、店員さんが間に入ってくださり、クリーニング代の相場(最大費)にて、各1万円ずつをお渡ししました。
その際、後日領収書等はいらないので、受け取ったお金でクリーニング等をしてください。申し訳ございません。と言う旨を伝え、店員さんの指示の元、私の連絡先を店舗へ伝え退店しました。
しかし、本日店舗より、電話が繋がらないため文書にて「クリーニング受け取り拒否をされたこと、バッグのシミが落ちないことついて相手方から相談したい」という内容の内容証明が届きました。
明日、店舗へ連絡を入れますが、こちらの対応として懸命な行動についてご教授いただけますと幸いです。
まず相手の要求として何を求めているのか、賠償を求めているとして金額がどの程度なのか、その根拠等について確認をしておく必要があるでしょう。
その上で金額として納得のいくものであれば合意書を交わした上で支払い、そうでなければ金額面の交渉をしていく形となるかと思われます。
ご自身で交渉が難しければ弁護士を立てるのも選択肢としてあり得ますが、弁護士費用面で赤字となる可能性もあるため、その点も含めて相談をされると良いでしょう。
交渉事なので、決まった正解があるわけではありません。当事者がお互いにしこりの残らない解決を図るにはどうすればいいかを念頭に考えていくことになります。
民法は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」(709条)と定めています。吐き気を催す前に少しでも異変を感じた段階でトイレに行くとか、せめて被害者にかからないようにするということは可能だったとして、残念ながらあなたに過失は認められると思われます。
服やかばんを汚してしまうことは財産権の侵害ですので、損害賠償をする必要があります。
それで、この場合の「損害」ですが、汚れただけであれば、洗濯や清掃によって元の状態に戻ると思われますので、金額はクリーニング代金程度と考えるのが素直です。
クリーニング代金といっても汚れの程度や処理方法によって違いがあると思いますので、あなた自身でクリーニング店の意見を聞いたり、既に相手方がクリーニングを済ましていた場合には、その領収書を見せてもらったりして確認することがまず考えられるでしょう。
問題は、相手が新品相当価格と同様の代金を請求してきた場合にどうするか、です。
確かに、気分的にはクリーニング代金では済まないとも思えるところですが、本当に買い替えるしかないような「利益を侵害」といえるかどうかは問題でしょう。相手が新品相当価格の賠償を求めてきた場合には、本当に買い替えるしかないような状態だったのかについて、よくよく汚れの状態を確認して、納得できる説明かどうかを検討する必要があると思います。
そのうえで、仮に買い替えるしかなかったと納得できたとしても、既にある程度使用された中古品なのですから、あなたには中古品としての価格で賠償する義務しかないと考えるのが公平です。
以上が原則論です。
しかし、いちいちクリーニング費用や品物の領収書の提出を求めるのであれば、相手方の感情を逆撫ですることは間違いありません。請求されている金額が不相当に高額でなければ、穏便かつ早期に事件を解決するという観点から信用して支払うことも選択肢としてはあり得ると思います。