遠距離恋愛後の就職確定後に別れた場合の慰謝料請求の可否と範囲について

遠距離恋愛 就職確定後に別れた場合の慰謝料について

遠距離恋愛をし、将来を考えている相手との結婚を見据え、相手方の暮らす地域にて就職活動を行い内定が確定しました。しかし、彼女は婚約の話自体口約束であり、婚姻届を出す日にちも口約束であると言われました。
また、さまざまな罵声を浴びさせてこられ、精神的に疲弊もしております。彼女のご家族様についても彼女同様、モラルに反する言葉などをおっしゃっているため、彼女を止めることなどはございませんでした。
別れることとなった場合、慰謝料の請求は可能なのでしょうか。慰謝料請求可能の場合、どの範囲までが請求対象となるのでしょうか。元々は地元にて就職予定でございましたが、将来のことを考え、話し合いの末きめた移住・就職となるのですが、彼女から一方的に別れられた場合、こちらについても慰謝料が請求可能となるのでしょうか。
ご教示いただけますと幸いでございます。よろしくお願いいたします。

・法的な観点から

 まず、「婚約」の成立についてが争いとなります。合意があれば成立するとの言説もありますが、重要な身分行為に関するものであり、「将来結婚しよう」という話をしたというケースでも、成立が否定されたりしています。
 今回のケースでは、①婚約の話、②婚姻届を出す日の相談、③相手方地域での就職活動をあげられています。①・②に関しては、当該やりとりをLine等でされているのであれば、保全しておきましょう。③に関しては、相手方側から、あなたに対して、当該地域で就職してほしい旨の発言(証拠によって裏付けられるもの)が重要になると思われます。
 
・現実的な観点から

 上記のように法的な争点があるだけではなく、認められるであろう慰謝料額は低額となる見通しです。経済的な面でいうと、弁護士に裁判手続きの代理を依頼すれば費用倒れになるリスクが大きいです。お気持ちの面でも、これまでの交渉経緯からすれば、さらに辛い思いをする可能性があります。
 上記を受け止められた上で、それでも相手方に請求をということでしたら、

 A:弁護士を介しての任意交渉(≠裁判)
 B:弁護士に相談をしながら、調停やADR等の手続きの利用

をご検討いただいたほうがよろしいかと思います。

匿名A先生

お世話になります。
ご回答ありがとうございます。婚約に関してですが、したと言っていたことはあったものの、彼女の口からただの口約束であると伝えられましたため、成立は厳しいでしょうか。やりとりにおいて重要なことはスクリーンショットもしくは日記に書き残しております。

また、費用面についてご教示いただきましてありがとうございます。
先生が知る範囲で彼女と話し合いの末、移住を伴う就職や転職確定後の慰謝料相場と、モラハラによって発生する慰謝料の相場についてお教えいただけますと幸いです。
任意交渉での場合、金銭のみの問題となるかと思いますが、B案の調停やADRを利用した場合には裁判記録のようなものは残るのでしょうか。また、残る場合には裁判履歴閲覧可能範囲(第三者の誰が可能か、調べることでわかるのか)や、その裁判によって起こりうる影響についてご教示いただけますと幸いです。

度々お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

・婚約の成立
残念ですが、裁判例などを見る限り、仮に裁判となった場合は、婚約が成立していたとは認められないように思われます。

・相場
 上記のとおりですので、相場を観念できかねます。任意交渉は相手方次第ですので、こちらについてもどの程度ということは申し上げられません。

・調停、ADRともに一定期間記録は残ります。
 民事訴訟とは異なり、原則として、当事者以外は閲覧できません。
 利害関係人は一部の記録を確認することができるに留まります。

・影響
 どういった点を懸念されていらっしゃるのかがわかりません。
 非公開の手続きですので、何か影響がと言われても思いつきません。

匿名A先生
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
婚約の不成立ということ、承知いたしました。また、相場に関してもご回答いただきましてありがとうございます。
ADRに関して、閲覧範囲のこと承知いたしました。懸念している点はなく、むしろ私ではなく相手方に何か影響を及ぼすことができるのかといった点が気になった次第でございます。

ご丁寧に回答いただきました匿名A先生にベストアンサーを送り、以上とさせていただきます。この度はお世話になりました。