ダスキンの人の不注意によるけが事故について損害賠償を求めたい
昨日 コンビニを出た時にダスキンの人が入口近くの通り道に折りたたんだカーペットを置いており、それに気づかずつまづき転け、打撲、擦り傷、左手中指えぐれるほどの傷を負いました。その後のダスキンの人の対応、物言いが悪く納得出来ない為、損害賠償等を考えてます。
事案は異なりますが、転倒事故に関する裁判所の考え方を理解するのに参考となる、対照的な結論となった2つの判決を紹介します。転倒の原因に関して過失や安全配慮義務違反があると言えるかが問題となります。
【東京地裁令和3年7月28日判決】
客がスーパー店内に設置されたサニーレタスの特売コーナー前に垂れていた水に足を滑らせ転倒し負傷したとして、スーパー側に損害賠償を求めた事案。
「サニーレタスは水で戻してから販売する必要があることが認められるところ、被告においては、その陳列場所周辺の床が、サニーレタスに付いた水が垂れることによって一定の範囲で濡れることとなる可能性を認識していたと認められる一方、被告がその危険性を考慮して一定時間の間隔で清掃等の転倒防止のための対応を採っていた形跡がうかがわれないことからすると、上記の態様で発生した本件事故について、被告は、信義則上の安全管理義務に違反したものというべきである。」
※ただし、客にも過失が20%あると認定して過失相殺がなされている。
【東京高裁令和3年8月4日判決】
客がスーパーのレジ付近通路の床に落ちていたカボチャの天ぷらを踏んで転倒し負傷したとして、スーパー側に損害賠償を求めた事案。
「前記認定の本件店舗におけるかぼちゃの天ぷら等の惣菜の販売方法からすれば、惣菜売場においても、青果物売場と同様に落下物が比較的に多くなる可能性はあるが、これは飽くまでも売場付近での話であり、レジ付近の通路とは区別して考える必要がある。」「これまで他の店舗も含めレジ付近で落下物による転倒事故が発生したことはなかったことが認められる。」「他方、レジ前通路を通行する利用客からは同通路は見通しがよく、同通路上に商品等の落下物があったとしても目に付きやすく、店舗内が混み合っている時間帯でも足下の落下物を回避することは特に困難なことではないと認められる。」「控訴人において、顧客に対する安全配慮義務として、あらかじめレジ前通路付近において落下物による転倒事故が生じる危険性を想定して、従業員においてレジ前通路の状況を目視により確認させたり、従業員を巡回させたりするなどの安全確認のための特段の措置を講じるべき法的義務があったとは認められない。」
事故状況に関する証拠(コンビニの防犯カメラ映像等)がないかも検討しておくべきでしょう。