業務委託契約の「解約」の項目について

仮に、業務委託契約上の「解約」の項目で「契約解除する場合は、自分で後任を探す」「後任をあてがわずに辞めたら違約」といった内容を盛り込んでいるとします。この契約を締結した場合、委託を受けるものは必ずこれに従うべきでしょうか?

「委託を受けるものは必ずこれに従うべきでしょうか?」
上記質問については、以下の2点によって、左右変動し、必ずこれに従わなくてもよくなることがあり得ます。

「契約解除する場合は、自分で後任を探す」
→自分で後任を探すのが法的義務か、あくまで努力義務か。
※努力義務であれば、法的に従う必要なしの方向に。

「後任をあてがわずに辞めたら違約」
→違約状態になった場合の効果が、違約金●円を支払えなどといったような制裁罰が定められているか否か。
※制裁罰が法的義務として有効なかたちで定められていなければ、法的に従う必要なしの方向に。

①有期の契約期間内に解約を行った場合、
それによって生じた損害を賠償する義務があります。
②後任を見繕うことは、損害の発生・損害の拡大を防ぐために資する行いです。
そのため、当該条項は、解約時に、損害の発生・損害の拡大を防ぐよう努めるよう求める規定であるといえます。後任を見繕わなければ契約関係の解消が出来ないという程の拘束力を認めることは困難でしょう。
そして、努力義務であれば、従わなくても「大丈夫」というものではなく、前提である①の責任を問われることになると考えられます。

もっとも、現実の損害賠償においては、
因果関係のある損害全てということではんかう、解釈上かなり限定的なものにはなると思います。

誤字訂正

「因果関係のある損害全てということではんかう」、


「因果関係のある損害全てということではなく、」