人事制度改革があり、年収が実質的(50%減)になりますが、違法な新人事制度ではないでしょうか
某ハウスメーカーに勤務しています。人事制度改革という名のもとに、急遽3か月後から歩合給が廃止されます。今期獲得した歩合は2年間に渡って賞与として支払れる猶予期間はあるものの、新人事制度でいくと基本給はあがるものの、歩合給がなくなるため、年収が60%か半分にまで減ってしまいます。選択制で歩合給並みに稼げるコースが残されたものの、設定されたタイムテーブル・ノルマがとても現実的な数字ではなく、どちらのコースを選んでも実質的に60%か半減になります。表向きは会社側は業績不振による制度変更とは大義名分は発していません、全社員のバランスをとるためというのが大義名分になっています。説明も一歩的なウエビナーでの説明で、質問もネット上での受付だけで、回答も全く帰ってきません。そんな中、同意をウェブ回覧で求められています。年収が実質半減するというのはあまりにも大幅な違法な賃金カットに該当しませんでしょうか。対話での説明会を求めましたが、受け入れてもらえません。この説明の仕方も問題アリではないかと思います。このままでは同意はしないつもりですが、法的な見解をアドバイスいただけますでしょうか。
人事制度の改革により、労働条件を変更するためには、①労働者の個別合意、②就業規則の変更、③労働協約の締結の3つの方法が考えられます。
個別同意をしない場合にも、就業規則の変更による労働条件の変更の可能性を意識しておく必要があります。
一般に、就業規則を労働者に不利益に変更するためには、原則として、労働者の個別合意を得ることとされています(労働契約法第9条)。
ただし、労働者の合意がなくとも、労働契約法第10条の要件をみたす場合には、就業規則による労働条件の不利益変更は可能とされています。
この相談掲示板では回答にも限界がありますし、人事制度の変更をめぐる裁判例等も踏まえた検討を要するところかと思います。そのため、より詳しくは、実際の人事制度の変更に関する資料等を持参の上、お住まいの地域の労働問題に取り組んでいる弁護士に直接相談してみることをご検討下さい。
【参考】労働契約法
(労働契約の内容の変更)
第八条 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。
(就業規則による労働契約の内容の変更)
第九条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。
第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
早速の回答ありがとうございます。参考になりました。契約書など照らし合わせて、弁護士相談してみたいと思います。