婚約破棄に伴う慰謝料請求と折り合いの付け方についての相談

婚約破棄について。
性格の不一致により婚約破棄され、こちらが婚約破棄による慰謝料請求を行ない、相手方も慰謝料請求をしてきた場合、折り合いはどのようにつけるのでしょうか。
以下のような例として、ご教示いただけますと幸いです。

当方→相手方の発言と婚約破棄に伴う精神的苦痛などに加え、転職を確定させている状態
相手方(婚約破棄申し出方)→当方の発言による精神的苦痛

そもそも相手が慰謝料の請求をできる状況なのかも争いがあるかと思われますが、仮に双方が、慰謝料請求が可能な場合その金額を考慮して差額分の請求をする等の合意はあり得るでしょう。

婚約破棄による慰謝料請求が認められるためには、婚約の成立と婚約破棄に正当な理由がないことが必要です。
 婚約の成立については、口約束等の主観的な事情のみならず、一定の客観的な事情(婚約指輪、結婚式の具体的な予定、式場の予約、両家顔合わせ等)を認定根拠にしている裁判例も多く、そのような事情の有無を確認しておくべきでしょう(紛争が裁判に発展した場合、婚約の成立自体を争われるケースもあります)。
 婚約の破棄に正当な理由があるか否かについては、性格の不一致という理由のみでは、正当な理由とは認められない可能性があります。
 どのように折り合いをつけるのかは、裁判になった場合の見通し、解決までにかかる費用(弁護士費用も含む)、解決までに要する時間等によっても異なって来ます。
 互いに請求しあわないというまとめ方もあれば、どちらかが折り合いのつく額を支払うというまとめ方もあります。ただし、性格の不一致が主張されているようなケースでは、互いに相手に慰謝料請求をしたい、相手の支払請求に応じたくない等の感情対立が強く、話し合いでは解決に至らないこともあります。その場合には、時間と費用をかけてまで裁判等に進むのかを検討することになります。
 ご投稿内容からは詳細な事情が不明ですので、お住まいの地域の弁護士等に直接相談し、具体的な経緯•事情も説明をした上で、適切なアドバイスを受けられてみるのがよろしいかもしれません。

≫泉 亮介先生
ご回答ありがとうございます。
相手方は精神的苦痛として申告する予定だとお話しされていました。しかし、精神的苦痛といった点では、性格の不一致が理由が原因とのことですので私で判別がつかずご相談させていただきました。
その点につきまして、争いを起こす場合には家庭裁判所での裁判という認識で間違いないでしょうか。
ご回答いただけますと幸いです。

≫清水 卓先生
お世話になっております。ご回答いただきありがとうございます。
婚約は口約束となっておりますが、ペアリング購入時に婚約のつもりで受け取ってという趣旨を伝えている点や、SNSでのやり取りで婚約の話をしていたことでは認められることは難しいのでしょうか。
また、裁判に至るほどのことであるかといった点にも親身になってお話いただきありがとうございます。
現時点で私も感情的になっている部分はあるかと思いますが、私の転職が決まっていることや今までのモラハラじみた行動、相手方には別れても他に求めている人がいることに対して苦痛がありますため、進んででも行いたいと考えております。しかし、清水先生から見て進むほどであるかどう判断いたしますでしょうか。主観で構いませんのでご回答いただけますと幸いでございます。
詳しい内容がわからないため、判別がつきにくいかと思いますが、私も正解がわからないため、意見の1つとしてお聞かせいただけると助かります。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

ペアリング購入、SNSのやり取り等の事情も婚約の成立を基礎付ける証拠となり得ます。また、相手方に他の交際者の影があるというような事情は婚約破棄に正当な理由がないことを基礎付ける事情の一つとなり得るかもしれません。

お気持ち理解致しますし、直ちに諦らめなければならないようなご事案ではないように思います。ただし、より適切なアドバイスを差し上げるためには、例えば、以下のような検討•対応を行う必要があろうかと思います。

① 交際の経緯、同居の有無、婚約に関する具体的なやりとり、婚約破棄に関する言動などの具体的な事情の聴取
② お手もとの証拠の精査
③ 類似の裁判例等との比較検討
④ 他の法律構成の可能性の検討

もっとも、上記のような対応は、この掲示板の守備範囲を超えているため、より詳しくは、お住まいの地域等の弁護士に個別に問い合わせ、直接相談なさってみて下さい。

≫清水先生
夜分遅くに失礼いたします。
婚約の成立についてご回答いただき、ありがとうございます。また、後出しで申し訳ありませんが、相手方の母親様にも結婚を前提のお付き合いであるご挨拶はしております。

相手方にほかの人の影があるというのは不確定ではあるものの、SNSでほかの人と通話をする、私から離れても別の人がいるからいいという発言などがあったことなどがございます。

また、主観的回答をいただきましてありがとうございます。私もできることであればきちんと精算したいと考えておりますため、安心いたしました。

今後の対応についてもご丁寧かつわかりやすいご説明をいただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
法テラスを利用する予定ですので長期的になるかと思いますが、今後に向け相談など対処していきたいと思います。

今回、詳しくまた、分かりやすいご回答をいただけましたため、ベストアンサーとさせていただきます。