高額な契約を強要され、問題が多発しているHP制作会社についての相談」というタイトルが適切です。

今年の夏に自身の事業のHPを作らないかという営業電話を受けました。

私はシングルで子供3人を養っています。
子供のリズムに合わせるため細々となんとか生活できる程度に個人事業主をしており、収入はとても低く、お話は聞けても契約できない事を事前に伝えると

・事業拡大に伴い、現在そちらの地域の実績作りのモデル店舗を探している為、費用を大幅に下げている。
・個人事業主などにフォーカスしている為、費用も抑えている。
とのことで、とりあえずオンラインでお話を伺いました。

すると以下のような内容で説明を受けました。
・HPを上位表示するシステムを持っている為、案件は安定してくる。
・初期費用や制作費、もろもろ何十万するが今日契約してくれたら初期費用1万、月の支払い4万9千円でいい。
・7年は契約解除ができない。

私の案件が1件当たりが3万〜5万ということもあり、1件契約が取れたらペイできるという話をされて、契約をしてしまいました。

初めはちゃんとした会社の印象があったのですが、契約書をオンライン上で結んでから信販会社の申込用紙が届き、信販会社から300万借りるという内容で、どうやら上位表示するシステムそのものが200万程するらしく、そのための信販会社との事でした。
その際はその借金を月々支払っていくのか、と思ったのですが、あまり自分の中で納得できず、その後の対応が曖昧だったり、明らかに切手の金額が足りない郵便物をそのまま送ってきたり(普通の企業さんならありえないと思いました。)不審な気持ちが募ってしまい色々調べた所、被害者の会が立ち上がるのでは、という量の書き込みを見つけました。

そこには
・上位表示のシステムは全く意味がなく、いくら待ってもHPから問い合わせはない。
・クーリングオフもなく、解除もできない。違約金で30万請求される。
・契約できないと断ってもしつこく契約してくるのに、契約が済むとその後の対応は全くない。
・支払いが遅れた時だけ催促の連絡が異常なくらいにくる。

こちらのようなことが山ほど書かれていました。
一番多かったのはHPからの問い合わせが全くないという内容でした。

こちらの書き込みを見て、ただでさえ毎月5万支払うこともままならず、(案件が1件も来ないのなら費用は払えません)このまま家族が路頭に迷うのではないかととてつもなく怖くなりました。

私は少しでも案件がきて欲しいという気持ちから安易に契約してしまった事もありますが、高額な場合は契約できないと断っても尚契約を促してきたこちらの会社は詐欺にはならないのでしょうか?
先方は私が案件が1件も来なければ支払いができないという内容は知って尚契約させています。

また、現在弁護士さんに内容証明の文を作成して頂き、契約解除をしているのですが、先方からLINEでお受けできないと言われています。

私としては解約金など払わないで契約を解除したいと思っています。
(HPを制作してしまった分はかかってしまうかと思っていますが、素材を全くお渡ししていなかったのでどこまで制作されているのかはわかりません。またHP制作に3ヶ月はかかるようで、1ヶ月目の時に申し出ました。)
もっと言えば、今回の契約でこれで案件がきたら子供達にお菓子を買ってあげたいな、という小さな希望だったのが、裏切られた気持ちと精神的に辛く怖く感じているので慰謝料請求したいほどに感じております。

内容証明を作っていただいた弁護士さんはHPなどの案件に疎いらしく
「よく分からないけど、一旦内容証明送りますか」
と、あまりわかっていらっしゃらないようでしたので、今回こちらにご相談させて頂きました。

今後どのように対応したら良いのかなど、教えて頂けますと幸いです。
長くなってしまいましたが、宜しくお願い致します。

全く同じ事案ではないものの、類似の被害に遭ったケースで契約の有効性を争った結果、契約を無効とする裁判例も出て来ています。

【参考】「消費者問題速報 VOL.116 (2013年9月)」(愛知県弁護士会)より引用
https://www.aiben.jp/page/116soku.html

「ホームページ制作会社の詐欺的商法によるクレジット契約は無効だとして,美容院を経営する60代の女性がセディナに対し支払済代金54万円の返還を求めたところ,契約を無効としたうえで,全額の返還を命じた判決(京都地裁平成25年7月30日判決)」

 あなたのケースでも、民法の錯誤取消し(95条)、詐欺取消し(96条)、公序良俗無効(90条)等の法的主張を駆使して、契約の有効性等を争うことができる可能性があるかもしれません。
 いずれにしても、一度、締結した契約書等を持参の上、お住まいの地域等で消費者問題に取り組んでいる弁護士に今回の件を直接相談してみてはいかがでしょうか。

【参考】民法
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
(錯誤)
第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。