物件の立退き要求に対して、電話で言われたが、いきなり内容証明で回答することは可能でしょうか?

家主からの電話で、管理会社を通じて立退き要求がありましたが、こちらからは拒否の内容証明を送ろうと思います。向こうは書面で出して来なくても、こちらはいきなり内容証明で回答しても良いのでしょうか?

家主から正式に書面をいただいた方が、良いですか?

内容証明で回答しても問題ありません。ただ、明確な意思表示としての証拠という意味では、相手に立退についての要求を書面でもらってからの方が良いかと思われます。

建物賃貸借契約の更新や解約に関する通知のやりとりをするに際し、借地借家法の以下のルールについても押さえた上で、対応なされるとよろしいかと思います。
 賃借人側の中には、①期限内の通知ができていない、②建物の賃貸借の期間が満了した後、建物の賃借人が建物の使用を継続しているにもかかわらず、建物の賃貸人が遅滞なき異議を述べていない等のケースもあります。 これらの場合には、借地借家法法第28条の正当の事由の有無の検討前に、更新拒絶や解約の要件を既にみたしていないことになります。
 
 借地借家法上、期間の定めのある建物賃貸者契約の更新拒絶については、期間の満了の一年前から六月前までの間に、賃貸人から賃借人に更新拒絶の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすとされています(借地借家法第26条1項)
 また、賃借人側から賃借人に対して期限内の更新拒絶の通知がなされた場合でも、建物の賃貸借の期間が満了した後、建物の賃借人が建物の使用を継続する場合において、建物の賃貸人が賃借人に対し、遅滞なく異議を述べなかったときも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすとされています(借地借家法第26条2項)。なお、この規定は、建物賃貸者契約の解約の申入れの場合にも準用されています(借地借家法第27条2項)。

【参考】借地借家法
(建物賃貸借契約の更新等)
第二十六条 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
2 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
3 (略)
(解約による建物賃貸借の終了)
第二十七条 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
2 前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。