不同意わいせつの示談額について

電車内で次の駅に着くまで(10分ほど)後ろからずっと身体覆うように動けなくされ、胸付近、二の腕、腰、臀部を触られました。
その間ずっと陰部も押し当てられている状態でした。

悪質なのでいわゆる条例違反の痴漢ではなく、不同意わいせつになると警察官に言われ、示談について調べましたが相場は50〜100万とのこと。

向こうの弁護士から30万でなんとか、精神疾患持ちで無職なため貯金額からしてプラスできても10万と言われました。
相場より低いですね?と言ったら、相場ど真ん中だと思います!と返されました。

現実ではネットに書いてある相場より低めなのでしょうか。
嘘をついてなるべく安く済ませようとしていたら不快ですし、許せないので出来うる限りの対応や処罰を望んでいます。
ただ事情的にあまり引き上げることも難しいのかなと思い悩んでいます。

どれくらいが落とし所なのでしょうか?

相場というのはケースバイケースとなるため、本人の事情やその弁護士が過去に経験した事案等にもよって提示額は異なってくるため、その弁護士としてはそれくらいの金額が相場と考えているのかと思われます。

金額として納得がいかなければ、ご自身の適切と思われる金額を提示して、交渉をされてみると良いでしょう。

ただ、実際にネットで書かれていることについては間違っていることも多く、その相場通りで解決しないケースも多々あることは事実です。

また、金額に納得がいかないのであれば示談をしないという選択肢もあり得ます。

近時、性犯罪に関する刑法等の改正がなされました。不同意わいせつ罪の法定刑は「六月以上十年以下の懲役」であり、罰金刑のない犯罪です。それだけ重い犯罪と言えます。

【参考】「性犯罪関係の法改正等 Q&A」(法務省サイト)
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html

インターネット等の情報は、各事案の具体的な事情に基づかない金額等が記載されていることも多く、一つの参考にはなるものの、鵜呑みにし過ぎないようにしましょう(示談相場なるものは、裁判水準よりも低額なこともあります)。

不同意わいせつ罪であれば、日弁連の犯罪被害委託援助という費用のサポート制度が利用できる可能性があります。相手から示談の話が出て来た際の示談交渉もサポート対象です。

【参考】法律援助事業のご案内(日弁連サイトより)
https://www.nichibenren.or.jp/activity/justice/houterasu/hourituenjyojigyou.html

<犯罪被害者法律援助>
「犯罪被害者の方のための代理人として活動する弁護士に依頼者に代わって弁護士費用を支払う制度です。加害者の告訴・告発や捜査機関から被害者の方に対する事情聴取、報道機関からの取材等に対する対応、国選被害者参加弁護士制度が適用されない事案での裁判傍聴の付添などを行います。」

犯罪被害に精通している弁護士であれば、この犯罪被害者法律援助という制度のことを知っていますので、お住まいの地域の弁護士会や法テラスに問い合わせ、犯罪被害の専門相談を受けてみることもご検討下さい(各地の弁護士会によっては、警察と連携して対応にあたることもあるようです)。
 この委託援助制度を利用して、弁護士にあなたの代理人になってもらい、相手方との交渉や刑事事件対応などにあたってもらうことが考えられます(上述のとおり、不同意わいせつ罪は重い犯罪類型ですので、刑事処罰を求めるお気持ちもあるようであれば、あなた側の代理人に強気で交渉にあたってもらうことも考えられます)。

相場というものに踊らされないでください。人の痛みを金銭で換算してというのは本来的には誤りです。

ですので、自分としては、この事件を世間でいうところの相場通りでないと終わらせられず次に進めないから、相場通りもらいたいのか。この人が二度と近づかないと約束したり、最寄り駅のある一定時間は近づかないと約束するなどのものをもらい、さっさと自分の人生の時間を使わないようにするかどちらが重要かよく考えて決めてください。

私は、有限な人生の時間を長いことその人に対するために使うべきではないと考えますが。ご自身はどうかよく向き合ってみてください。