"火傷事件の証拠不足による起訴の可能性について"

Question

息子が雇用先で店主からもんじゃ焼きのヘラを押し当てられ火傷をしました。お店のルールとして、ヘラを鉄板に置きっぱなしにしてはならないと決まりがあり、鉄板に乗せてあったままになったヘラを放置したのが息子だと思ったようで近寄るなり"俺が火傷したらどうするんだ店が回らないだろう！"と右手首を掴まれヘラを押し当てられたようです。嘘ではないと判断し(前々からパワハラな暴言もあったため)、警察へ被害届を出しました。先月の15日です。翌日に診断書を発行し傷害事件として受理して頂きました。それから刑事担当の方から連絡を頂き、相手方はそんなことはしていないと言っていると報告がありました。防犯カメラもなく当時、その現場を見ていたパートさんも、"知らない"と証言しています。息子に再度確認をし、"信じますね"とのことでした。その言葉を私もまた信じたいのです。"やった"という証明も出来ませんが、"やっていない"という証明もまた出来ないのではないでしょうか…やっていないと言えば、やっていないことになるのでしょうか？今後、起訴、不起訴の見当も付きません。証拠も証言もない中どうなるのか弁護士依頼が必要な案件なのか…ご教授お願い致します。

内藤 政信 弁護士 · Accepted Answer

自分でつけた火傷か、他人が付けた火傷かの判定も難しいのでしょうかね。
自分でつけた場合は、動機が問題になりますね。
店主のほうは動機がありそうですね。
警察も店主が黒との心証が得られるなら、逮捕も含め、関係者からも事情
を聞くなどして、きちっと捜査してほしいですね。
間接状況証拠を含めて、立証困難なら、無罪推定が働きますからね。（参考）

内藤 政信 弁護士 · Answer

今後の捜査待ちですね。
パワハラ含めてこれまでの事情経緯書を作成させるといいでしょう。

内藤 政信 弁護士 · Answer

継続的に付けていれば、使えるでしょう。

清水 卓 弁護士 · Answer

１　刑事事件について
　受傷部位、火傷の原因となった物（ヘラか否か）、火傷の位置や範囲、火傷した時間帯などの客観的な事情との整合性の観点から、自傷なのか否か認定できる場合もあります。
　また、息子さんが今回の件を他の人に打ち合あけた時期なども息子さんの供述の信頼性を高める事情になり得ます。
　さらに、息子さんとしては余り重要と考えていない、今回の火傷に関するメールやSNSなどのメッセージ等も証拠となりえます。
　警察が被害届を受理し、捜査を進めているのは、息子さんの話を信じてのことと思います。

２　費用のサポート制度について
　傷害事件であれば、日弁連の犯罪被害委託援助という費用のサポート制度が利用できる可能性があります。

【参考】法律援助事業のご案内（日弁連サイトより）
https://www.nichibenren.or.jp/activity/justice/houterasu/hourituenjyojigyou.html

＜犯罪被害者法律援助＞
「犯罪被害者の方のための代理人として活動する弁護士に依頼者に代わって弁護士費用を支払う制度です。加害者の告訴・告発や捜査機関から被害者の方に対する事情聴取、報道機関からの取材等に対する対応、国選被害者参加弁護士制度が適用されない事案での裁判傍聴の付添などを行います。」

犯罪被害に精通している弁護士であれば、この犯罪被害者法律援助という制度のことを知っていますので、お住まいの地域の弁護士会や法テラスに問い合わせ、犯罪被害の専門相談を受けてみることもご検討下さい（各地の弁護士会によっては、警察と連携して対応にあたることもあるようです）。
　この委託援助制度を利用して、弁護士にあなたの代理人になってもらい、刑事事件対応をしてもらうことが考えられます。

３　民事事件や労働問題としての対応の可能性について
　仮に、刑事事件で不起訴となったとしても、民事事件として損害賠償責任を問えるケースもあります。
　さらに、息子さんは従業員だったことから、労働契約上の問題として慰謝料請求などできる場合もあります。

お子さんを信じて対応してあげて下さい。