パチンコ屋での怪我に関する刑事責任について教えていただきたいです。

パチンコ屋で肩をぶつけられ、全治三週間の怪我をしました。
警察に被害届を出そうとしたところ、この場合相手からも被害届が出される可能性があると言われました。

肩をぶつけられた時の状況は、私がゆっくり通路を歩いているところに、加害者が早歩きでやってきて、私が避けようとしたところ避けきれず、肩のあたりをぶつけられ私がよろけました。加害者はぶつかったにも関わらず無視してそのまま行ってしまいました。
(その様子は監視カメラに写っています)

加害者も被害届を出してきたとて、この状況で私が責任を問われることはあるのでしょうか。仮に加害者も傷害で被害届を出したとして、相手がぶつかってきているのに、私が過失傷害の責任を負うことなどあり得るのでしょうか。
ご回答いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

あなたが被害届を出す事件については、相手方が被疑者として扱われ、他方、相手方も被害届を提出してくると、その事件についてはあなたが形式上被疑者として扱われることになります(いわゆる相被疑事件と言い、口論、喧嘩、すれ違い時の身体接触などのケースでは、相被疑事件となることが割と多いように思われます)。
その場合、両方の事件について警察の捜査がなされ、捜査が終了すると検察庁に送致されることになります。
 そして、起訴するか否かは検察官が決定することになっており、刑事訴訟法第248条では、検察官が起訴するか否かを判断する際の事情が示されています。
 ご投稿のケースでは、相手方が被害届を出しても、そちらの事件については、訴追を必要としないものとして、不起訴になる可能性が高いと思われます。また、あなたが被害届を提出しようとしている事件についても、刑事訴訟法第248条に基づき、不起訴とされる可能性があります(検察には多数の傷害案件の取扱経験が蓄積されており、全治三週間の怪我は、検察が取り扱う事件の中では、相対的に見て犯罪の重い部類ではない可能性があります)。
 警察の説明範囲が被害届の提出のところまでだった可能性があり、その後の流れにご疑問を持たれたものと推察致しますが、少し丁寧に説明を試みますと、日本の刑事制度はこのようになっています。
 不起訴となった場合、前科にはなりませんが、警察で被疑者として捜査がなされたという前歴にはなります。そのため、相被疑事件になりそうなケースでは、その後の起訴見込みまで踏まえ、被害届を提出して捜査を求めるのかにつき、慎重に判断するのが望ましいように思います。
 
【参考】刑事訴訟法

第二百四十七条 公訴は、検察官がこれを行う。

第二百四十八条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる

丁寧にご回答していただきありがとうございます。ご教示いただいたことを念頭に、被害届提出について考えてみたいと思います。