ホームページ制作及び管理業務基本契約書の作成に関する相談

A:ホームページ制作・保守管理の依頼者
B:ホームページ制作のディレクションを行う
C:ホームページ制作の制作業務を行う(今回の相談者である私の立場)

BとCでホームページの制作と保守について、一定の内容と金額を定めたサービスを作りました。

ホームページの制作と保守管理内容、それぞれの費用や支払い方法、納期、知的財産権などを定めた契約書を、Aが発注者、BとCが受注者として作成したいと考えています。

私がホームページ制作と公開後の保守管理を直接依頼された際(AとCだけの場合)に使用している「業務委託契約書」(行政書士さんに依頼して作った)があるため、それを編集して「業務委託契約書」を作成し、Bに確認してもらいました。

すると、Bより今回行う契約は、「業務委託」には当たらないのでは?との指摘がありました。
今回、BとC側が提供内容と金額を決めて、Aに提供サービスのため「業務委託」にはあたらないのではないか?
制作と管理業務内容をまとめた「ホームページ制作及び管理業務基本契約書」という形での契約書になるのではないか?
とのことです。

この場合、Bの指摘通り「業務委託」にはあたらないのでしょうか?

業務委託契約は、委託者が受託者に何らかの業務を委託する内容の契約であり、大きく言えば、ホームページの制作及び保守管理も業務であることから、業務委託契約として契約書が締結されているケースも見られます(BとC側が提供内容•金額を決めて、Aに提供サービスを提供している場合でも、見方を変えれば、Aが自作せずに、Aの仕事•営業に使用するホームページの制作•保守管理という業務
を他者に任せていると言えるため、大きく言えば、業務委託と言うことも可能かと思われます)。
 ただし、民法で定められている請負契約や準委任契約とは異なり、業務委託契約そのものを定義付けたり、要件•効果等を定めた法律はないため、人によって業務委託という言葉の意味内容の理解が異なることがあり、契約の性質•内容が曖昧•不十分な業務委託契約書が作成されているケースも散見されます(契約•裁判実務では、業務委託契約の性質について、業務の性質•内容等から請負契約と解することもあれば、準委任契約と解することもあり、契約書の内容が不十分な場合等には、民法の請負や準委任の規定が適用されてしまうこともあります)。
 そのため、業務の内容•性質に応じた契約書を作成することが大切です。そのような観点から、契約のタイトル自体からどのような内容の契約なのかが理解できるように、契約書のタイトル付けがなされることがあります。
ホームページ制作や保守管理についても、このような観点はあてはまります。
 現在作成されている業務委託契約書の内容が、ホームページ制作•保守管理という各業務の性質に照らし、十分な内容となっているかこそ一番チェックすべきことでしょう。
 ご心配であれば、あなた方が作成したサービス内容に合致した契約書の内容になっているのか、ホームページ制作・保守管理に関する契約実務に通じている弁護士等の法律家にリーガルチェックを依頼することも検討してみて下さい。