上階の漏水による天井の損傷で家賃の減額を要求できるか
半年前賃貸物件で上の階の方が原因で天井から漏水しました。
漏水はなくなりましたが、天井に穴、天井が汚水のシミが広範囲で残っております。
管理会社から修繕を行うと言われてから、管理組合の方と連絡が取れないとの事でずっと放置されています。
この場合家賃の減額等の措置は要求できるのでしょうか。
1 民法611条1項は「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。」と規定しています。
漏水などで一時的に居住できなくなったような場合は、この規定に基づき賃料減額の主張ができる可能性があると考えられます。
2 賃貸借目的物の修繕義務は原則として賃貸人が負うため、賃借人は、修繕が必要な場合には、賃貸人に修繕を求めることになります。賃貸人に対して修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず賃貸人が相当の期間内に修繕に応じないときや急迫の事情があるときは、賃借人自ら修繕を行うことができ、修繕費用を賃貸人に請求できます。
この場合、賃借人は、修繕費用と未払家賃とを相殺するという主張ができる可能性があります。
もっとも、「修繕が必要な場合」とは、客観的にみて修繕がなされないと使用収益に著しい支障が生じるような場合を指すとされ、使用収益に影響しない軽微な問題については賃貸人に修繕義務があると認められない可能性があります。
したがって、穴やシミによって、居住にどの程度の支障、影響が生じているかによると考えられます。