マッチングアプリの利用規約で50万円以上の罰則金を課すのは認められるのでしょうか?
Mr&Missというマッチングアプリの規約を読んでいたら
会員は、会員規約に違反した場合に、強制退会及び50万円以上の罰則金請求を受入れ、支払うものとします。
という一文があり驚きました。
個人間の契約とはいえ、違法行為でもないものに対して50万円以上の罰則金が認められるものなのでしょうか。
上限ではなく下限を書いて具体的な金額を提示していない点にも疑問が残りますし、「50万円」と決まっていても、罰則金を取らないアプリが多い中では相場を大きく逸脱している気がしております。
(何か実害が発生した場合の損害賠償は別かと思いますが)
例えばこれが5万円であれば、多少高額とはいえ認められるのかなと考えておりますが、先生方の見解を伺いたいです。
よろしくお願いします。
https://tokyo-craft.jp/mrmiss-fine.html
利用規約の損害賠償の予定•違約金条項(罰則金という用語も含まれると思われます)の有効性については、以下のような条文の適用を検討することになります。
①消費者契約法第9条1項1号(同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分の無効)
※ 事業者側の算定根拠を精査すると、本当に同種事業者に生じる平均的な損害の範囲内と言えるのか疑義があるケースも見られるます。
②民法第548条の2第2項(定型約款の条項のうち、相手方の利益を一方的に害すると認められる条項について契約の内容とする合意をしなかったものとみたす)
③民法第90条(公序良俗に反する法律行為は無効)
【参考】消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
【参考】民法
(定型約款の合意)
第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。