交通事故の損害賠償額について

9月8日の朝5時30分ころ、母親が手押し車を押しながら、横断歩道のない道路を歩行中に自動車に正面からはねられました。
その際、大きなケガをしました。
・右大腿骨頭骨折
・右脛骨開放骨折
・左脛骨腓骨骨折
・下顎2カ所骨折
・腰椎骨折
・胸骨骨折
・下顎骨二カ所骨折
また、大量に出血をして、4リットル以上の輸血をしました。
その日の手術では、大量出血を止めるために以下の手術を行いました。
・右大腿骨頭の手術
・右脛骨の応急手術
・左脛骨腓骨の応急手術
5日後に、呼吸をしやすくするために、喉の切開手術を行いました。
その2日後に、以下の手術を行いました。
・右脛骨の手術
・左脛骨腓骨の手術
・下顎骨二カ所をプレートせ固定させる手術

以下のケースで、損害賠償額はおよそいくらになりそうでしょうか?
1)三か月後に車イスの生活になった場合
2)三か月後に亡くなった場合

それぞれ損害賠償額はいくらからいくらとご教示いただけると幸いです。

事故直後のご相談ということで、大変な状況かとお察しいたします。
ご質問の点ですが、症状固定後に後遺障害等級が認定されるかどうかという今後の見通し、被害者様のご年齢・ご収入・家族構成なども関係する難しい問題となります。
無料相談などを利用して、一度、弁護士に直接相談なさることをお勧めいたします。

大切なご家族であるお母様が当然の事故で大怪我を負われ、ご心配なことと存じます。

損害賠償の金額をいわるゆ裁判基準に基づき正確に算定するためには、今後のお母様の入通院期間、症状固定後の後遺障害の等級認定(何級の後遺障害等級が認定されるか)、将来の介護の要否•内容(在宅介護、施設介護など)、事故によりお亡くなりになる事態の発生の有無、事故前のお母様の生活状況(同居者の有無、就業の有無、既往症や介護状況の有無•内容)などの様々な事情•証拠の把握•収集を要します。
 また、刑事事件の動向(捜査の進展状況、刑事処分の見込み等)、正確な事故状況の把握、事故状況に基づく過失割合の認定なども賠償金額の算定に影響を及ぼす可能性があります。
 そのため、お母様やご家族のためにも、いわゆる裁判基準を踏まえた適切な損害賠償の支払を受けていただく観点からは、以上のような事情•証拠に基づくしっかりとしたりアドバイスを弁護士との面談を通じて受けていただくのが望ましいご事案と言えます。
 
 なお、お母様のお怪我の状況を踏まえ、一定の目安を早期に把握しておきたいというお気持ちは理解致します。
 上記のような事情•証拠に基づく精査をしておらず、あくまでかなり大雑把な目安となりますが、
1)三か月後に車イスの生活になった場合
→ 2000万円以上の損害賠償を目指すべき事案かと思われます。
 ※入院慰謝料100万円程度、後遺障害慰謝料(認定される後遺障害等級により異なります)7級以上が認定される場合、後遺障害慰謝料1000万〜2800万程度
※この他に、休業損害(家事従事者の可能性)、逸失利益(家事従事者の可能性)、将来介護費用などの賠償も得られる可能性があります。これらの将来介護費用などの賠償が認められる場合には、上記の慰謝料とは別に数千万円規模の賠償が認められる可能性があります。

2)三か月後に亡くなった場合
→ 3000万円以上の損害賠償を目指すべき事案かと思われます。
 ※入院慰謝料100万円程度、死亡による慰謝料2000〜2500万円
  ※この他に、休業損害(家事従事者の可能性)、逸失利益(家事従事者の可能性、年金部分の逸失利益)、葬儀費用150万円程度などの賠償も得られる可能性があります。
 ※また、遺族固有の慰謝料として数百万円程度請求できる可能性もあります。

かなり大雑把な目安をご説明致しましたが、その前にご説明した事情•証拠等により、かなりの変動があり得ます(かなりの増額になる可能性もあります)。

そのため、しっかりとした損害賠償を獲得するためには、ご説明した事情•証拠に基づくアドバイスを弁護士との面談を通じて受けていただくのが望ましいご事案と言えます(事故相手方に任意保険が付いている場合でも、任意保険会社が提示する賠償額は任意基準という社内基準を採用していることが多く、裁判所で使用されている裁判基準からすると低額なケースが散見されますので、一度、弁護士にご相談いただくのが望ましいでしょう)。

そこで、あなた又はあなたのご家族(同居,別居を問いません)が加入している自動車の任意保険や自宅の火災保険等に弁護士費用特約がついているか否かを予め確認しておきましょう。歩行者として交通事故に遭った場合にも適用がある場合があります。
 弁護士費用特約がついている場合、相談料や依頼する弁護士費用については、この弁護士費用特約から優先的に支払うことができます。