不倫慰謝料請求中の増額交渉におけるリスクについて

旦那の既婚女性との不倫で、相手女性に対し慰謝料請求(示談交渉)中です。
相手女性は不倫事実を認め、相手夫には明かさないことと求償権放棄をつけての慰謝料を支払う旨、通知が来ましたが提示額に納得していません。
①当方の精神的苦痛や経済的損失が大きいことを客観的に示す資料はありますが、増額交渉におけるリスクはどのようなものがありますか?
相手の態度が変わるなど、提示された低額の慰謝料で示談したほうが得策ということもあり得ますか?
②慰謝料の支払いだけでなく、旦那への連絡・接近を禁止することを誓約させることはできますか?

まず、増額についてのリスクですが、交渉が決裂し、訴訟で争うというルートに行きつきやすいです。具体的な事情としてどの様な事情があり、訴訟となった際にどの程度の慰謝料が見込めるのかを判断した上で裁判に行く前に終わらせた方が良いのか、裁判まで進んだ方が利益が出るのかを見極める必要があるでしょう。また、訴訟となった場合は訴状が相手の住んでいる場所へ届くので、それにより相手の夫が不貞の事実を知り、こちらの夫へ慰謝料請求をされるリスクも発生するでしょう。

夫への接近禁止については入れ込むことは可能かと思われます。特に、離婚をせずに関係を再構築する場合には基本的に合意内容として入れることが多いかと思われます。

①について:
交渉が煮詰まってきていて、相手方の提示額が最終提示額というようなニュアンスになっているような状況であれば、増額交渉をし続けると、開き直られて訴訟での解決を提案されるというリスクが生じ得ます。逆に、2・3回やり取りをしたくらいの状況であれば、もう少し増額を求めることも考えられます。
訴訟ということになると、相手夫に不貞の事実が露見する可能性があり、そうすると、訴訟では相手が態度を変えて好戦的になる可能性があるほか、相手夫がご相談者様夫に不貞慰謝料請求をすることで、双方(夫婦)に経済的利益なし(ゼロ和解)というような結末に至ることもあり得ます。
このようなリスクをどれだけ回避したいか、ご相談者様の納得し得る金額と相手提示額との差の大小などを考慮してご検討いただくということなると思います。

②について:
離婚をなさらないのであれば、もちろん可能です。示談書・合意書でそのような条項を設けることになります。

不貞慰謝料額には、おおよその相場がありますが、不貞の態様や当事者の家族状況等によって変動し得ますので、一概に高額/低額と言いにくい側面もあります。
弁護士に相談しつつ、納得できる解決を目指されるとよいと思います。

ありがとうございます。大変参考になります。