公正証書に記載がある場合の振込手数料について

養育費の未払いに対し、公正証書を元に強制執行をかけたいと考えております。細かい話になりますが、公正証書作成時には振込手数料も相手方負担と決めて明記してありましたが、強制執行になると債権者負担という民法が優先されるのでしょうか?
またその場合、同じ公正証書を債務名義として一度に手数料にも強制執行をかけられたりはしないのでしょうか?

振込み手数料は債権者負担という民法の規定はないです。
原則は、債務者による、債権者の住所地での持参払い(民法484条1項)となります。

そのため、公正証書を債務名義として手数料について強制執行をするということは想定されません(そもそも公正証書は手数料についての債務名義には
なりませんが。。。)。

早速のご回答ありがとうございます。
そうだったんですね。ネットで調べていると「(第三債務者から)振込手数料を引いて振込」となっている事例ばかり出てきたので、債務者による(以下略)だとは全く思いませんでした。
公正証書は債務名義にはならないとのことですが、先に書いたように明記はされているのでそれを根拠として、第三債務者と話し合う時に、第三債務者が債務者(共に遠方)から直接振込手数料を取ってもらうよう交渉してみたいと思います。
わけあって自分の再就職は再来年になってしまうので(内々定で決まってはいますが)、それまでの2年間、一銭でも節約したく…どうもありがとうございました。

説明に足りないところがあり補充させてください。債務者の勤務先(「第三債務者」といいます)等に対する強制執行の場合、強制執行をかけた相談者さんと第三債務者のどちらが振込手数料を負担するという問題であれば、振込手数料は相談者さんの負担となるのが裁判所も周知する実務です。
その理由としては、第三債務者である差押先は、取立に応じなけれならないものの債権者の住所地まで現金を持参する義務までは負っていないからであるとされています。
https://www.courts.go.jp/morioka/vc-files/morioka/2020/minji/1_sasiosae_nagare_0402.pdf

そのため、振込手数料を先方に取ってもらうよう交渉するのはなかなか難しいかもしれません。

振込手数料は本来債務者が負担すべきものですが、任意に払われない場合、別途取立てる債務名義がなければなりません。その手続費用(執行費用確定処分でいいのか、別途訴訟を起こす必要があるかすぐに分かりませんでした。申し訳ありません。)を考えると費用倒れになるかなと思われます。

何度もご丁寧にありがとうございます。
回答を頂いたあと、先生の書いておられた民法と養育費強制執行の関係を調べてみると、ちょうど紹介してくださったページが出てきたところでした。
ただ、そこにも「原則」債権者負担とは書いてあるので、先にも書いたように公正証書を元にして交渉の余地はあるのかなと勝手に考えております。あとは、第三債務者が大きい会社で当地にも支店はあるので、もしそこに社内送金してもらって取りに行くことが出来れば振込手数料よりは安くなるのかなと…

公正証書には色々書いてあっても、振込手数料については別途の債務名義が必要なのですね。無職にとっては月々の「取立届」にかかるであろう料金と併せ、たとえひと月に数百円でも降り積もればバカにならず、債務者に対しての怒りしか湧いてきません。
素人には法律の考え方は難しく、先生に助けていただいて本当に感謝しております。