"義理の兄が母の財産を盗んでおり刑事事件になるか、姉に知らせずに成年後見人になれるか相談したい"

母の財産を同居していない義理の兄が盗んでいる可能性が高く困ってます。
今まで全く母の家に寄りつかない人だったのに今年から急に毎日来るようになり、来た月から毎月20万、多い時で30万が無くなっています。また自己破産しており、今現在働いていません。母が少しボケているのに乗じて、母がお金をなくしたから下ろしていると言っています。母は15万で2ヶ月生活する人なので使ってるにしてもおかしいペースでなくしてるし、また無くしているのが通帳、カード、現金のお金関係ばかりなのもおかしいです(義理の兄が来た途端に毎回見つかります)。
流石におかしいと思い、母に頼まれて通帳を何とか手に入れて確認したところこのようなハイペースでお金が下ろされていることが分かりました。トータルで100万以上が三ヶ月で無くなっています。通帳を私が持ってると知った途端に姉から返せの一点張りの電話が来たので姉もおそらく知っています。
母も嫌がっています。また母がいない時間に勝手に家の中に入っているようです。母がやめてくれと言っても、母が出かけている時間帯に来て涼んでいるようです。

質問したいことは以下の二つです。
・刑事事件になりますか?
→通帳しか今のところありませんが、義理の兄は姉の旦那で血が繋がっておらず同居もしていません。また姉は働いているので姉が日中盗んでいる可能性は低いです。
・姉に知らせずに成年後見人になれますか?
→母のお金を完全に私が管理することで楽しく老後を送らせたいです。

長くなってしまいましたが、ご回答頂けると幸いです。

刑事事件化については、現在の証拠関係のみでは、犯人の特定まで至っておらず、現段階で警察が動いてくれるかは定かではないでしょう。

次に、成年後見の申立てについて、親族の意見書については、以下のような運用がなされており、姉に照会がなされる可能性があります。なお、親族間で意見対立等がある事案では、裁判所は親族と利害関係のない弁護士等の専門職後見人を選任することがあります。

【参考】裁判所サイト
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/kokensite/moushitate_seinenkouken/index.html

「親族の意見書について」より一部引用

2 申立時に意見書を提出していただく範囲は,仮に本人が亡くなった場合に相続人となる方々(この方々を「推定相続人」といいます。)です。具体的には次のとおりとなります。
 (1) 本人に配偶者がいる場合
   ①(子どもがいる場合)配偶者と子ども
(子どもが亡くなっていて孫がいる方については孫)
   ②(子どもや孫がいない場合)配偶者と父母
(父母がともに亡くなっていて祖父母がいる方については祖父母)
   ③(子どもや孫,父母や祖父母がいない場合)配偶者と兄弟姉妹
(兄弟姉妹が亡くなっていて甥や姪がいる方については甥や姪)
(2) 本人に配偶者がいない場合
①(子どもがいる場合)子ども
   (子どもが亡くなっていて孫がいる方については孫)
②(子どもや孫がいない場合)父母
(父母がともに亡くなっていて祖父母がいる方については祖父母)
   ③(子どもや孫,父母や祖父母がいない場合)兄弟姉妹
(兄弟姉妹が亡くなっていて甥や姪がいる方については甥や姪)

5 意見書を提出されなかった親族やその他の親族の方については,家庭裁判所から意見の照会を行うことがあります。

回答ありがとうございます。
追加で以下の質問に御回答くださるとありがたいです。
・母に許可をとってカメラを仕掛けています。もし盗んでいる現場が取れた場合でも刑事事件になりませんか?
・現時点の証拠のみで弁護士さんにお願いして私たちが有利になるようなことはありますか?民事でも勝算はありますか?
・母が強く希望した場合でも姉に裁判所から意見書の提出を求められるものでしょうか?
また追記の情報になりますが私は姉夫婦より遠いところに住んでいるため中々状況が掴めずにいます。
ご回答くださると幸いです。

・母に許可をとってカメラを仕掛けています。もし盗んでいる現場が取れた場合でも刑事事件になりませんか?
→ そのような場合、警察も刑事事件として立件する可能性もあります。ただし、親族間の窃盗等の犯罪には、刑法の特例が適用されることがあります(特例の適用がある場合、刑が免除されたり、公訴提起のために告訴を要したりします)。

(親族間の犯罪に関する特例)
第二百四十四条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

・現時点の証拠のみで弁護士さんにお願いして私たちが有利になるようなことはありますか?民事でも勝算はありますか?
→ 上記のとおり、 刑事事件には親族間の特例の適用されることがありますが、刑事事件と民事事件は別個の手続きであり、被害者であるお母様は民事事件での損害賠償請求が可能な場合があります。ただし、お母様の判断能力が法定後見制度の申立てを要する程度の場合、民事事件で損害賠償請求する前に、家庭裁判所で後見人等を選任してもらう必要があります。
 なお、現在の証拠のみでは、弁護士に依頼したとしても、お金を持ち出した人の特定に至らず、損害賠償請求等は難しいかもしれません。より正確には、お住まいの地域等の弁護士に直接相談なさってみて下さい。

・母が強く希望した場合でも姉に裁判所から意見書の提出を求められるものでしょうか?
→ 法定後見制度は、適用を受ける本人の判断能力が公的な関与を要する程に低下していることを前提としている制度のため、裁判所としては後見的な見地から一定の範囲の親族には意見照会を試みているようです。そのため、ご本人の意向どおりとならない可能性があると思われます。
 なお、お子様が複数いる事案で、お母様がそのうちの一人への意見照会を望まない意向を表明している時点で、親族間に意見•利害対立があることが伺われるため、裁判所が選任する後見人は、親族ではなく、弁護士等の、専門職後見人になる可能性があるように思われます。
 より詳しくはお住まいの地域等の弁護士に直接相談してみて下さい。

大変参考になりました。ありがとうございました。