無免許運転での単独事故による裁判待ち中、ダブル執行猶予の可能性はありますか?

私は窃盗、無免許運転で1年8ヶ月、執行猶予3年の執行猶予中に無免許運転、無車検、無保険で
単独事故を起こし、現場から逃走して
無免許、無車検、無保険、報告義務違反で在宅起訴
されて現在、裁判待ちです。
取り調べの担当した警察官には罰金って言われて
安心していたところ検察官に正式裁判って言われて
絶望しています。
ダブル執行猶予の可能性はありそうですか?
また実刑なら何年ぐらいはいりそうですか?
詳しい方、よろしくお願いします。

令和3年の11月頃に控訴期間が終わり、
刑が確定して、執行猶予期間が始まり、
令和4年頃の9月に事故を起こしました。
弁護士を私選、国選、弁護士をつけないかを決める
書類が最近、裁判所から届いて、財産が50万円
無いため、国選弁護士にお願いしようと思って
付属されていた書類に記入したのですが
それでも国選弁護士に依頼できなさそうですか?

あなたのケースでは、①既に受けた3年間の執行猶予の言渡しの取消しの回避、②執行猶予期間中の無免許運転等の再犯について、再度、執行猶予を受けられるかを検討して行くことになろうかと思われます。

①既に受けた3年間の執行猶予の言渡しの取消しの回避

前回の判決による3年間の執行猶予期間が満了するまでに、今回の無免許運転等での刑事裁判で実刑判決が確定していなければ、前回の判決の執行猶予の言渡しは取り消されません。
→ そのため、以下のような対応が考えられます。
ⅰ 今回の無免許運転等での刑事裁判で再度の執行猶予を獲得する
ⅱ 今回の無免許運転等での刑事裁判で実刑判決が言い渡されたとしても、控訴•上告により、執行猶予期間満了までに実刑判決が確定しないように試みる

【参考】刑法
(刑の全部の執行猶予の必要的取消し)
第二十六条 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。
一 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。

②執行猶予期間中の無免許運転等の再犯について、再度、執行猶予を受けられるか

刑法第25条2項によれば、以下の要件をみたす場合には、再度の執行猶予を受けられる可能性があります。
•今回の無免許運転等の刑事裁判の判決が1年以下の懲役または禁錮に留まること、
•情状に特に酌量すべき点があること

【参考】刑法
(刑の全部の執行猶予)
第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

以上のように、あなたのケースでは、前の執行猶予判決をいつ受け、今回の無免許運転等の犯行をいつ行ったのか(執行猶予期間がいつ経過するのか)を意識しながら、今回の無免許運転等の裁判対応をして行く必要があるでしょう。
 そのため、検察官に正式裁判って言われている状況からしますと、なるべくお早めに、弁護人を選任し、今後の対応について、協議すべきでしょう。
 なお、あなたのご事案の場合、国選弁護人の選任をするための要件をみたしていない可能性があり、その場合は、あなたの方で私選弁護人を選任する必要があります。

※ 国選弁護人の選任に関する刑事訴訟法の規定について
 被告人が、貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、被告人の請求により、被告人のため弁護人を附しなければなりません(刑事訴訟法36条)。そして、裁判所は、公訴の提起があったときは、遅滞なく、被告人に対し、貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、国選弁護人の選任を請求できることを知らせます(刑事訴訟法272条等)。ただし、国選弁護人の選任を請求するためには、資力申告書の提出が必要とされており、基準額(50万円)以上の資力がある場合には、あらかじめ弁護士会に私選弁護人の選任の申出をしなければならないものとされています。