不貞行為の時効について

夫の不貞行為が10年前に発覚しましたが、その際は関係は終わっていると聞いていたので離婚はしませんでした。
しかし最近になって別れたのは最近で、しかもその相手との間に7歳になる子供がいることが発覚しました。
不貞行為の時効は3年と聞いています。
最初に不貞行為が発覚してからは3年経過しているのでそれはもう時効になっていますが、その際は別れていると聞いていましたし、隠し子までいるのであれば今回はまた別の話しになるような気がしています。
このようなケースでも時効は最初に不貞行為が発覚してからの3年になるのでしょうか?
もう慰謝料請求は難しいのでしょうか?

早急に離婚と可能であれば慰謝料請求の方向で動くつもりでいます。

教えてください。
よろしくお願いいたします。

お相手に繰り返し裏切られ、とてもお辛いことと存じます。
少しでも問題解決のお役に立てればと思い、ご質問にお答えさせていただきます。

>このようなケースでも時効は最初に不貞行為が発覚してからの3年になるのでしょうか?
もう慰謝料請求は難しいのでしょうか?

→そうとは限らないと考えます。
慰謝料請求権の消滅時効期間は確かに3年です。しかし、そのカウントがスタートするのは、損害及び加害者を知ったときとされています。
今回、不貞を理由に離婚されるのであれば、不貞そのものというよりは「不貞によって離婚までせざるを得なかったこと」が一番精神的苦痛になると思われるため、配偶者へ請求するのは離婚を理由とした慰謝料になるという考え方が一般的です。そうすると、配偶者に対する慰謝料請求権の消滅時効は、離婚をしたときから進行することになり、現在はまだ時効に掛かっていない(より正確には、まだ離婚の議論をしていないので現実化していない)ということになります。
不貞相手への慰謝料請求権についても、不貞の事実だけでなく、上記のとおり「加害者」も把握していなければ時効が進みませんので、不貞の事実に加えて不貞相手の住所と氏名を知ったときから時効のカウントが始まることになります。また、時効のカウントが始まってから3年経っている部分については慰謝料請求はできないと思われますが、近年の不貞の部分については時効にかかっておらず不貞相手にも慰謝料請求ができるということもあり得ます。

より正確な判断を行うには具体的な事実経過を詳細にヒアリングする必要がありますので、この掲示板では最終的な回答というのは難しいと思われます。
今後の方針の検討も含め、一度面談にて法律相談をされることをおすすめします。

ご指摘の不法行為の時効は「損害及び加害者を知った時から三年間」なので、以下のような事情によれば、起算点である「損害及び加害者を知った時から」はまだ3年経過していないというように争える余地はあるかと思います。

①10年前にあなたが把握した夫の不貞行為とは別に、不貞関係が続いていた相手方と新たな不貞行為がなされたこと、
②不貞行為の相手方との間に子どもが生まれていること
③その子どもが7歳になること、
④これらの事実を夫からの説明によりあなたが最近知ったこと

また、離婚の方法には、主に、①協議離婚(公正証書等で離婚条件の合意を書面化しておくのが望ましい)、②調停離婚、③裁判離婚があり、どの方法を選択すべきかは、ご事案の内容や夫側の争う姿勢によっても変わって来ます。

さらに、あなたのケースでは、話し合いが揉める可能性も踏まえ、夫の説明のみならず、不貞相手の所在の特定、不貞相手との子どもの特定(認知までしているのか否か)等も事前に調査等の上、証拠を入手しておくことも検討しておくべきでしょう。

このように微妙な事案であり、解決方法の選択も慎重に検討すべきご事案かと思いますので、一度、お早めにお住まいの地域等の弁護士に直接相談してみてはいかがでしょうか。