エージェント経由の業務委託契約の承諾後の取り消しについて

【相談の背景】
業務委託契約でエージェント経由で案件を探しておりました。
1社からオファー条件をいただき、エージェント経由でメールにて
承諾の意思を伝えました。

その後今の会社にいたい気持ちが出て、承諾取り消しの旨をエージェントに伝えたところ、参画予定の会社から、手続きが進んでいるため難しいとの回答をエージェント経由でいただきました。

参画まで1ヶ月以上先で、メールでのやり取りはさせていただきましたが、書面などの契約はしていない状態です。

【質問1】
この場合は承諾取り消しは可能でしょうか?
職業選択の自由が業務委託契約でも適用されるかが心配です。

【質問2】
承諾後に辞退する場合、損害賠償などされますでしょうか?
電話でお話しした際はそのようなケースが他のエージェントでもあったお伝えされました。

相手会社からのオファーに対する承諾の意思がエージェント経由で相手会社に伝えられている場合、業務委託契約が成立している可能性があります。

その場合、業務委託契約の性質が準委任契約と解される場合、契約当事者のいずれも、いつでも契約を解除することができます。ただし、相手方に不利な時期に委任を解除したときは、やむを得ない事由が認めららないと相手方に生じた損害の賠償義務を負います。

質問1
→ 業務委託契約の性質が準委任契約であれば、契約の解除自体は可能ですが、相手会社としては、業務委託契約の性質が請負契約である等として、業務委託の依頼を受けた者からの解除は認められないなどと争ってくる可能性があります。

質問2
→ 仮に、あなたからの契約の解除が可能であったとしても、上記のとおり、相手会社の不利な時期の解除の場合には、相手会社に生じた損害の賠償義務を負う可能性があります。
 ただし、参画まで1ヶ月以上先などの事情からすると、相手会社の不利な時期かを争ったり、相手会社に損害が生じるのか、生じるとしても妥当な損害額かを争う余地はあります。

なお、オファーを承諾した業務委託契約の内容やエージェントとの契約内容(利用しているエージェントと何らかの契約書を交わしていたり、利用規約に承諾している場合)についても精査•確認しておくべきでしょう。

いずれにしても、この相談掲示板の守備範囲を超える相談かと思われますので、お手もとの証拠を持参の上、一度、お住まいの地域等の弁護士に直接相談してみることも検討してみて下さい。

【参考】
(委任の解除)
第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。

(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

清水様

お世話になっております。
ご丁寧に返信をいただきありがとうございます。

今回は書面でのやり取りは一切なく、メールで承諾の旨はお伝えさせていただきました。
また損害賠償に関する記述はメール上に一切ない状態です。
この場合に損害賠償につながるケースは稀と聞きましたが、ご意見をいただけますと幸いでございます。

清水様

お世話になっております。
契約としては準委任契約の予定でした。