キャラクターと似顔絵の販売をした場合、著作権侵害となるのでしょうか?

似顔絵の販売をしている際、キャラクターのグッズ(ぬいぐるみやTシャツ)を身につけた似顔絵のご依頼が来ました。
その似顔絵を描いて、料金を支払ってもらった場合、それは著作権侵害にあたるのでしょうか?

参考となる裁判例に、マンガ「サザエさん」のキャラクターを観光バスの車体に描いて営業していた観光バス会社に著作権侵害を認めた、東京地裁昭和51年5月26日判決があります。

この判決では、以下のように述べられています。
「すなわち、漫画「サザエさん」には、その主役としてサザエさん、その弟のカツオ、妹のワカメ、夫のマスオ、父の波平、母のお舟等が登場し、サザエさんは平凡なサラリーマンの妻として、家事、育児あるいは近所付合いなどにおいて明るい性格を展開するものとして描かれており、またその他の登場人物にしてもその役割、容ぼう、姿態などからして各登場人物自体の性格が一貫した恒久的なものとして表現されており、更に特定の日の新聞に掲載された特定の四齣の漫画「サザエさん」はそれ自体として著作権を発生せしめる著作物とみられ得る。」
「…逆に話題ないし筋がどのようなものであつても、そこに登場する人物の容ぼう、姿態等からしてその人物がサザエ、カツオ、ワカメ等であると認められれば、その漫画は、原告自身が作成したものであればもちろん漫画「サザエさん」であり、また他人が作成した漫画であつてもそこに登場する人物の容ぼう、姿態等からしてその人物が原告の作成する漫画「サザエさん」に登場するサザエ、カツオ、ワカメ等と同一又は類似する人物として描かれていれば、その漫画は漫画「サザエさん」と誤認される場合があるであろうと解される。」
「本件頭部画は、成立に争いがない甲第五号証で認められるとおり、誰がこれを見てもそこに連載漫画「サザエさん」の登場人物であるサザエさん、カツオ、ワカメが表現されていると感得されるようなものである。つまり、そこには連載漫画「サザエさん」の登場人物のキヤラクターが表現されているものということができる。」「…本件においては、被告の本件行為は、原告が著作権を有する漫画「サザエさん」が長年月にわたつて新聞紙上に掲載されて構成された漫画サザエさんの前説明のキヤラクターを利用するものであつて、結局のところ原告の著作権を侵害するものというべきである。」
 → この裁判例を踏まえると、キャラクターのグッズを身につけた似顔絵を作成した場合、そのキャラクターが表現されていると一般の人に感得されるような場合には、著作権侵害となる可能性があります。
 似顔絵のご依頼者に理解を求め、対応なさってみて下さい。

難しい問題なのですね…!
詳しいご回答ありがとうございます!