パワハラで訴えられるかもしれません
子会社所属の従業員がパワハラをして、他の従業員が辞めました。
現在、口頭の契約により経営を親会社に一任しています。
辞めた従業員から、親会社(子会社である社長の私宛て)に退職届及び障害者施設に入ったらいいなどと言われた等、一連の受けたパワハラ内容が書かれた手紙が送られてきました。
以前にもパワハラにより従業員が数人辞めていますが、親会社はあまり気にしていないようです。
今後、万が一パワハラで私の会社が訴えられた場合に備えて親会社との関係をどのようにしたらよいか悩んでいます。
口頭での一任なので、結局私に責任がふりかかることを恐れています。
私はパワハラをする社員に辞めてほしいと思っていますが、親会社がそうさせてくれません。
親会社と書面で契約を結んだほうが良いでしょうか。
パワハラで訴えられた場合の責任及び対処も全て親会社のほうで請け負ってもらいたいと思っています。
口頭で私には迷惑かけない、と言われても所詮口頭だと…
私にあまり決定権限がないため、言われるがままになっています。
どうか、よろしくお願いいたします。
相談者は子会社の取締役などの地位にあるという理解でよろしいでしょうか?
少なくても口頭での合意を書面にしておくことを推奨します。
以下、相談者が子会社の取締役等の地位であるとの前提で説明します。
なお、、相談者の会社を単に「会社」、親会社を「親会社」として説明します。
①パワハラの問題について
従業員は会社に対して損害賠償請求を行うことが通常です。
(パワハラを行った本人に対しても並行して請求できますがここでは本論と関係がないため触れません。)
会社としての損害賠償義務は、対応を親会社に一任していても免れることはできません。
このため、相談者の会社が責任を負うことになります。
② 相談者と会社の関係について
経営を親会社に一任しているような場合には、誠実に経営をしていないとして、相談者が会社から損害賠償請求をされる可能性があります。
株主が親会社だけであれば、親会社が実質的な権限を持っていたことを主張することで、この責任を回避したり軽減できる可能性があります。
このため、口頭での合意を書面にしておくべきです。
なお、親会社以外の株主がいる場合や、会社以外(従業員、銀行、取引先など)から請求される場合もあり、そのような場合には、親会社の言いなりというだけでは責任を免れることはできません。
難しいとは思いますが、親会社に経営を一任している状況を解消することを目指す必要があります。
株主は親会社と私のみです。
取締役1人のみの会社です。
口頭での合意を書面にするというのは、
相手である親会社に、提示してサインをもらうことまで必要でしょうか。
それとも、録音と、その内容を文書化したものでも効果はありますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
なんらかのトラブルになったときに証拠として使うものなので、合意書面になっていればその方がよいですし、無理であれば録音などでもよいと思います。
ただ、本来は親会社に一任している状況を解消する必要があることは忘れないでください。
なお、パワハラ問題の対応、親会社対応などについて、会社や株主の状況によっても異なるので、個別に法律相談に行って相談や依頼を行うことを推奨します。