このような種類の報酬は支払ってもらえるのでしょうか?
「ポイント」で付与された報酬を現金化して入金してもらおうとしたら拒絶されました。
先日退職した会社では、通常の報酬とは別に「ポイント」という報酬があります。
例えると、ご褒美・ボーナスのようなもので、サイトに掲載する記事を書くと500ポイント、勤続3周年のお祝いに10000ポイント付与、など毎月なんらかのポイント付与が発生しており、現金化して入金してもらえるという説明を入社時に受けました。そして一度も現金化せず貯めておりました。
退職後にポイントの現金化について問い合わせたところ、結果として貯めたポイントは現金化してもらえず、全て消されてしまいました。
このポイントについてですが、現金化するにあたっての詳しい条件を記した文書や、企業と従業員が交わした契約書はございません。
退職時も特に説明を受けなかったので、ずっと貯めてきたものだし申請すればきちんと対応してくれるだろう、と信じていました。
問い合わせをしたときも、担当者は現金化する前提で対応してくれていましたが、途中から「申請はマイページのみで受け付けている」「マイページはもうパスワードが消去されているのでログインできない」「ログインできないから現金化できない」という理由になっていました。
ログインできないといっても、会社が作ったシステムですからなんとかなるはずです。
その点を指摘すると、その次の返事が「申請は就業中のみとなっているため、あなたはもう退職しているから申請できない」と言われました。
現金化の条件を全く知らなかったので、何故それを在職中に教えてくれなかったのか、告知義務があるのではないのか、と問うと、「在職中に嫌な思いをさせて申し訳ございません。今後のご発展をお祈りしております」という返事になっていない返事が来ました。
このような「ポイント」という報酬は、法的にはどのような位置づけなのでしょうか?
契約書などがなくても、企業が勝手に支払わないと決めて従業員が貯めてきた金額をゼロにしていいものなのでしょうか?
そして、質問したことにきちんと答えない企業にどのように対抗すればいいのでしょうか?
お手数ですが、よろしくお願い致します。
社内のポイントは通常は福利厚生の一環として付与されるものだと考えられます。したがって、原則的には退社してしまえば利益は受けられないでしょう。
ただ、給与金額とのバランスで、低い給与分をポイントが補っているという場合や制度として現金化ができる場合などによっては、ポイント自体が単なる福利厚生ではなく「給与」の一部と捉えることもできると考えます。
企業に対しては実質的な給与の未払いとして現金化した場合に得られたはずの金額を請求されるのがよいと考えます。
佐山先生
はじめまして。
早速の回答ありがとうございます。
ポイントが福利厚生であるか給与の一部と捉えるかが重要なのですね。
このポイントは制度として現金化できるもの、という説明を受けていたのでおそらく給与のカテゴリーに入ると思われます。
そこで質問があります。
ポイントの現金化に関して、事前に現金化の申請の期限や方法などを知らされていなかったのですが、企業は期限や支払い方法を告知する義務はないのでしょうか?
後だしジャンケンのように「実は○月○日までが期限だった」、ログインできなくなってから「マイページのみで申請を受け付ける」という話をしてもいいものなのでしょうか?
企業と従業員双方がその支払い方法や期限に同意したという契約書は必要ないのでしょうか?
この企業とは業務委託契約書を交わしており、通常の給与に関しては締め日や振込み方法などを明記してあり、双方の署名押印をしてありました。
その中にポイントに関するものはございませんでした。
ポイントの現金化に関して、契約書がない、という事実はあまり重要視されないのでしょうか?
業務委託契約書はあったのに、ポイントに関しては契約書が存在しなかったことも気になります。
よろしければご回答お願いいたします。
ポイントは給与である、という整理を前提に回答します。労働法上、給料は全額払いしないといけないのが原則ですから、現金化申請期限や方法の制限という反論は成り立たないと思います。
また、仮にそうした手続に関する合意が有効だったとしても、それを定めた契約書やメールのやりとりがないなら、合意が成立していないので、申請期限など関係なく、現金化した場合の金額相当額を請求できるでしょう。
もっとも、会社が支払いを拒めば最終的には裁判で解決するしかありません。そこについては費用対効果を考えていただかざるを得ないでしょう。まずは労基に相談されてはいかがでしょうか?
佐山先生
ポイントという特殊な報酬に関しての質問に丁寧に回答してくださって本当にありがとうございます。
とても勉強になりました。