婚姻費用未払いに伴う悪意の遺棄の判断について

婚姻費用、離婚調停に関する質問となります

【状況】
・私(夫)は昨年末より妻が出ていく形で別居しております。
・妻は子供を連れ実家に戻り、県をまたぐ遠方となります。
・生活費については婚姻費用として、算定表に基づき私から支払いを行っています。
(婚姻費用調停は行っておりません)
・私は過去の妻からのモラハラを理由とする離婚の申し入れをし、離婚届、離婚協議書案を提出、財産分与等に関し協議しておりますが、建設的な話(主にライン)ができず、離婚届の返信がない状況です。

【とある弁護士に面談した際の相談回答】
相談弁護士からは妻側のモラハラ気質から協議は難しく、調停しかない判断をされております。
私から離婚調停を起こす場合、妻側の県にある裁判所にて行うことから、当方の費用負担が大きくなります。婚姻費用を故意に支払い滞らせ妻側が婚姻費用に関する調停を行わせ、私側の県で行う。その際、私から離婚調停を仕掛けた場合、私側の県にある裁判所で離婚調停を行うよう仕掛ける。

【質問内容】
・現時点、調停を行っておりませんが婚姻費用を故意にひと月程度支払わなかった場合、悪意の遺棄と判断される恐れはないのでしょうか?また、悪意の遺棄と判断されるタイミングはどの時点になるのでしょうか(調停?裁判?) 
※意図としては離婚協議の流れを作ることともしくは調停を仕掛けてもらうことです。

ワンオネスト法律事務所の弁護士の吉岡一誠と申します。
一ヶ月婚姻費用を支払わなかっただけで直ちに悪意の遺棄と判断されることはないかと思いますが、2か月、3か月と不払いが続くと、故意に支払いをしていないものと認定されて、相談者様からの離婚請求が裁判上認められにくくなるおそれがあります。
裁判所が判断を下すのは調停が不成立となった後の離婚裁判においてですが、調停の中で離婚条件の交渉をする上でも、不払いの事実があるために構図として相手方が優位に立ってしまい、離婚という結果を獲得するために相談者様の方が大きく譲歩せざるを得なくなるおそれがありますので、慎重に方針を定めるべきかと思います。
相手方の管轄で調停を申し立てる場合でも、近時は電話会議やWEB会議の方法による進行を柔軟に認めてもらえることが多くなってきているため、弁護士に依頼した場合に必ずしも高額の旅費日当がかかるというわけではありません。
弁護士費用は事務所により様々ですので、弁護士への依頼を検討されているものの費用感で懸念があるということでしたら、複数の弁護士に相談をして相見積もりを取ることをお勧めいたします。

早々にご回答頂き誠にありがとうございます。電話会議やWEB会議ならば相手方の管轄へ伺わなく進行を進められるのでしょうか?以前相談した弁護士の方からは電話会議でも何度か行かなければわならないことをおっしゃっておりました。ご教示頂けますと幸いです

web会議(テレビ電話)の場合、相談者様が法律事務所に出向く必要はありますが、法律事務所において弁護士と一緒に期日に参加することが可能です。
ただし、和解する場合や、裁判所に直接の出頭を求められた場合など、裁判所に出向かなければならない可能性もあります。

承知致しました。ご教示頂きありがとうございます