未払い賃金請求と試用期間延長の有効性について
2022年
9/1 契約社員として入社(契約期間:22.9.1〜23.8.31)
10/25 パワハラによる適応障害のため休職申請
11/8 主治医による復職可能の診断書を提出
11/15 産業医面談にて復職可能と診断、復職希望の意思表明
その後会社から音沙汰無し(何度か催促済み)
11/25 会社より復職研修のためのトレーナーを確保できないため休職続行してほしいと連絡あり
試用期間を12/31まで延長をされる
その後再び連絡途絶える
何度も催促および本社法務部へ連絡するも折り返し無し
トレーナーを確保できないのは会社都合による休職であると労基より助言を頂き、休職手当の請求を行う
12/28 人員削減により復職が難しいため、他の部署に移動して欲しいと連絡がある
他の部署に移動を希望する場合は面接あり
試用期間を1/31まで延長される
場所移動を希望しないor面接不合格の場合使用期間満了とする
1/14 他部署への移動を希望、休業手当の請求を再度行う
その後音沙汰無し
1/26 書面にて他部署への移動を希望、休業手当の請求を再度行う
1/31 音沙汰がないまま試用期間終了となる
2/8 ほか部署の面接日程を決めたいと連絡がある
2/16 面接希望日を提出し、再度未払い賃金の督促を行う
2/17 以下理由により試用期間を延長すると連絡
正式雇用の前提条件である貴殿の勤務成績についての検討期間を3/16まで延長する
3/16までに面接を通過できない場合は期間満了とする
質問内容
①試用期間満了後に試用期間の延長を通知することは違法ではないのか
②自発的な休職は2週間であり、その後は会社都合による休職であるため勤務成績を検討するための勤務期間を与えられていない。試用期間延長の理由として妥当であるのか
③試用期間延長の通知は受け入れない方がいいのか
❹休業手当は100%請求することが可能であるか
❺遅延損害金の請求は可能か
①試用期間満了後に試用期間の延長を通知することは違法ではないのか
→ そもそも、試用期間の設定•延長の根拠規定が存在するのか、存在するとして複数回の延長が可能か等につき、就業規則等を確認する必要があるでしょう。これらに不備があれば、試用期間の延長は違法の可能性があります。
また、試用期間の設定•延長の規定が存在したとしても、試用期間が既に満了している可能性があり、その場合には、試用期間をさらに延長することはできません。
②自発的な休職は2週間であり、その後は会社都合による休職であるため勤務成績を検討するための勤務期間を与えられていない。試用期間延長の理由として妥当であるのか
→ そもそも、上記①のとおり、試用期間の延長自体が認められない可能性があります。また、仮に延長が可能としても、経緯•理由は正当なものとは思われません。
③試用期間延長の通知は受け入れない方がいいのか
→ そもそも、試用期間延長の根拠がない可能性があります。就業規則等を入手の上、精査すべきでしょう。
❹休業手当は100%請求することが可能であるか
→ 会社側の都合により、労働者を休ませた場合にあたるものと思われますので、会社側が休業手当を支払うべき事案と思われます。なお、民法第536条第2項により、使用者の「責めに帰すべき事由」がある休業の場合には、労働者は休業中の賃金を全額請求できます。
❺遅延損害金の請求は可能か
→ 支払の遅延がある部分については可能でしょう。
会社側のこれまでの対応状況からすると、話し合いでは解決に至らず、労働審判や労働訴訟の申立て•提起を検討せざるを得なくなる可能性があります。
ご自身での解決が難しいとお感じの場合には、お早めに弁護士に直接相談なさってみて下さい。