親権者についてもめています
元妻が余命宣告されたそうで、子どもを引き取って欲しいと連絡がありました。
ですが、私も再婚しており妻も引き取ることを拒んでいます。
子どもとは離婚して以来会ってもいません。
子どもの引き取りを拒否することは可能ですか?
できれば元妻の両親に引き取りをお願いしたいです。この場合、養育費は元妻の両親に支払うことになるのでしょうか?
元奥様が亡くなられた後、直ちにご本人が親権者となるという裁判例もありますが、大多数は直ちに親権者となるわけではないという考えが主流です。
しかし、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって親権者を変更することができるとされており(民法819条第6項)、単独親権者が死亡した場合もこれにあたると解されています。したがって、子の親族が、家裁に申し立て家裁が子の利益のために必要だと認める場合には、ご本人が親権者となる場合もございます。本件がこのような場合に当たるかについては、弁護士にご相談されることをお勧めします。
元妻との間のお子様の年齢はおいくつでしょうか。民法という法律が近時改正され、 2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に変わっています。そのため、お子様が18歳以上であれば親の親権には服さなくなり、親権者の変更という問題は生じません。
また、お子様の年齢が15歳以上の場合、親権者の変更の審判をするには、お子様の陳述を聴く必要があります(家事事件手続法169条2項)。あなたのご事案では、離婚以降は父子交流がない、父親の再婚等の事情から、お子様が親権者の変更を望まないことも考えられます。
【参考】家事事件手続法
(陳述の聴取)
第百六十九条 (略)
2 家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の審判をする場合には、第六十八条の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。
さらに、親権者が亡くなった場合、未成年後見人の選任という方法もあります。未成年後見人とは,未成年者(未成年被後見人)の法定代理人であり,未成年者の監護養育,財産管理,契約等の法律行為などを行います。
【参考】裁判所サイト「未成年後見人の選任」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_12/index.html#:~:text=1.%20%E6%A6%82%E8%A6%81,%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
いずれにしても、複雑で悩ましい事情があり、解決に向け難しい選択を要するご事案かと思われますので、一度、弁護士に直接相談なさってみることもご検討下さい。