使用貸借契約は片務契約なのですか?双務契約ではないのですか?
あるテキストに、以下のような説明文が記されていました。
<使用貸借契約>
・契約当事者の一方が、目的物を無償で借りて、後にその目的物を返還することを約束する契約。
・片務契約、無償契約、諾成契約である。
以上がその説明文なのですが、これについて疑問に思いました。
使用貸借契約は、貸す側が借りる側に対して目的物を引き渡す必要があるのだから、これは『片務契約』ではなくて『双務契約』なのではないですか?
貸す側には「借りる側に目的物を引き渡す義務」が、
借りる後には「貸した側に目的物を返還する義務」が、
それぞれあるので『双務契約』ではないのかという疑問です。
確かに、双務契約を単純に「契約当事者が相互に債務を負担しあっている契約」と解釈しますと、ご指摘のような理解になるかと思われます。
もっとも、双務契約は、『双方の負う債務が対価関係にあること』も前提となっていると思われます。
債権法改正後の使用貸借契約は、貸す義務と目的物返還義務がそれぞれ存在し得ますが、賃貸借と異なり、貸す義務と対価関係にある借主側の義務がないため、双務契約ではないと判断されているものと思われます。
ご回答ありがとうございます。
つまり、双務契約というのは、お互い対価関係にある義務がある場合のみ、そのようにいうのですね。
それでは、「書面でする消費貸借契約(利息付き)」は、どちらに当たるのですか?
「書面でする消費貸借契約(利息付き)」は諾成契約ですが、これは貸す側・借りる側とも、対価関係にある義務があるので、双務契約に当たるのですか?
また、「書面でする消費貸借契約(利息無し)」は、貸す側には、対価関係にある義務が無いので、片務契約に当たるのですか?