この場合、なぜ詐欺罪にならない?

ある飲料メーカーが果汁100%と表記しておきながら実際には3%程しか入っていなかったり、
ある中古車販売店は実際には12万キロほど走った車を6.5万キロと嘘の表記をして景品表示法違反(優良誤認)となっていましたが、なぜどちらも詐欺罪に該当していないのでしょうか?

1.果汁100%入りだと嘘の表記 (欺罔)
2.消費者がそれを信じる (錯誤)
3.消費者が購入する (交付行為)
4.飲料メーカーが金銭を受け取る (財産移転)

と上記のように詐欺罪の構成要件は満たしているように思いますが?

いくつか理由があるとは思いますが、ご指摘の件の場合、1~4の因果関係の立証が困難であることが大きいように思います。
特に果汁が3%だと知っていれば商品を買わなかったと立証することが結構困難なように思います。

他に考えられる理由としては、ご指摘の例の場合検察は詐欺罪が本件の「本質」ではないと考える可能性が高い、ということがあります。
詐欺や横領の場合、いろいろな犯罪が同時に成立することがあります。例えば経理が会社の金を横領し、帳簿を書き換え、上司の追及にウソの回答で答えた場合、横領罪に加え、ウソの回答が詐欺罪になることがあります。ただこのケースでは一番問題視されるべき「本質」は横領であり、上司の追及に嘘の回答をしたのはその派生に過ぎないと考え、検察は詐欺罪ではなく業務上横領罪で立件することが多いのです。
それと同じと思います。

佐藤弁護士、ご回答ありがとうございます。