共有物分割訴訟の裁判の中で、子の監護権を移すことを条件に相手側の名義分を買い取りたいと主張できますか

Question

元旦那と共有名義で購入した物件について、共有物分割訴訟を起こされると言われています。

4年前に離婚、子供がひとり居ますが親権は元旦那です。
共有名義の物件に元旦那と子供が住んでおります。

恐らく家を売却するために、冒頭申し上げた通り共有物分割訴訟を起こすと元旦那の弁護士から連絡がありました。

その裁判に向けて教えて頂きたいのですが、
家を売却するとなれば子の転居が伴い、転校も予想されます。
こちらの気持ちとして子の環境変化はなるべく避けたく、
裁判の中で「子の環境変化を避けるため、子供の監護権をこちらに移すことを条件に、元旦那持ち分をこちらで買い取りたい」と提言することは可能でしょうか。
また、このような主張は通るものなのでしょうか。

大変不安なため、アドバイス頂けますと幸いです。

清水 卓 弁護士 · Answer

親権者の変更と異なり、監護権者の変更については、当事者間の協議で行うことが可能です。
　そのため、和解提案という位置付けで、あなたの考えている提案を行うこと自体は可能だと思われます。
　ただし、和解はあくまで両当事者の合意を要する手続きのため、元夫側が応じない場合には、あなたの和解提案を元夫側に強制することはできません。
　また、和解が成立しない場合、裁判所が判決で判断を示すことになりますが、裁判所は、共有物の分割に関して監護権者の変更を条件とするような内容の判決を出すことはできません。

いずれにしても、お子さんが現在居住している自宅の処分に関する紛争かと思いますので、お子さんの住まいをどうするつもりなのか（お子さんはどこで誰と一緒に生活することになるのか)等につき、元夫側に回答を求める等の対応が考えられます。
　また、あなたの方でお子さんと一緒に暮らして行くつもりの場合、家庭裁判所に監護者者変更の調停や審判をあなたの方で申し立てる方法も考えられます。
　ご自身での対応が難しい場合には、お住まいの地域等の弁護士に直接相談してみることもご検討下さい。