児童ポルノ動画のダウンロードについて
19歳大学生です。
先日、スマホでTwitter保存ランキングというサイト閲覧していたところ、児童ポルノにあたる動画を見つけました。そこで突発的な出来心でその動画一本だけ、ダウンロードボタンを押してしまったのですが、一瞬で我に帰りダウンロードしたzipファイルは一度の見ずに削除しました。後から調べたところ、児童ポルノのダウンロードも単純所持にあたり、罪になると知ってとても後悔と猛省をしています。
そこで幾つか質問させて頂きたいです。
1.単純所持の場合には既に削除してあったとしても、過去に持っていたのであれば罪に問われてしまうとのことですが、前科は避けられないのでしょうか?
(他の弁護士さんの返信では、現在の警察の方針?としては、たとえ故意の所持であったとしても、削除してあれば、厳重注意で済み前科は付かないと書かれていたと記憶しています。もしかして、未成年の方のみが厳重注意で私には関係ないでしょうか?)
2.既に削除してあったとしても、警察が復元した際に動画が出てくれば、問答無用で単純所持となり、罪に処されてしまうのでしょうか?
3.もし警察からの取り調べを受けた際、どのような受け答えをするのが、正しいのでしょうか?誤ってダウンロードしてしまった。そのため、すぐに削除したと言えば良いのでしょうか?
4.私には金銭的余裕がないため、スマホの物理的破壊のようなことはできませんが、今からでも私にできる対応は何かありますか?
自分の軽はずみな行動が招いた結果であり、自業自得なのですが、自殺もよぎるくらいに不安に駆られています。
回答よろしくお願いします。
まず、近時、少年法が改正されましたが、18・19歳の者も「特定少年」として引き続き少年法の適用対象とされます。
次に、投稿内容のような事情であれば、今回の件が判明したとしても、警察がわざわざ立件までせず、厳重注意等で済む可能性もあるでしょう。
なお、仮に立件されたとしても、20歳になる前であれば、少年法による枠組み(
家裁送致•家裁による保護処分)での対応で済むものと思われます。また、20歳を迎えてしまう場合でも、検察庁による不起訴処分になる可能性もあります。
事案の内容からすれば、いきなり逮捕されるような可能性は極めて低いでしょうから、もし、警察から呼び出しがあった場合には、事前に弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けた上で、警察の取調べに臨みましょう。
以上のように、あなたが思い悩む程に重大な事態ではありません。生命ほど大切なものはありませんので、不安になり過ぎず、落ち着いた行動を心掛けましょう。
今後の生活につき、アドバイスをするとすれば、同じようなことをしない、普段どおりの生活をする、仮に警察から連絡等あった場合には速やかに弁護士に相談して冷静に対応するということになります。
【参考】法務省サイト「少年法が変わります!」
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji14_00015.html
お早い返信ありがとうございます。先生のお言葉を頂けて少し安心しています。
もう2つほど質問させていただきたいです。
1.私は後数ヶ月ほどで20歳を迎えます。警察の方の捜査時期によっては、私が罪を犯したのが特定少年の範囲の内であった事だとしても、20歳になってしまっては、少年法は関係ないのでしょうか?また、20歳前の犯行では警察や検察の方々の情状?的に不起訴になりやすい等あるのでしょうか?
2.確率論になってしまい申し訳ないのですが私が20歳になってから、警察の厳重注意、検察の不起訴処分になる可能性はどの程度でしょうか?断言は難しいのではないかと思いますが、おおよそでもいいので教えて頂きたいです。
ご質問の点は、いわゆる年齢切迫の少年事件(家庭裁判所への送致時に少年の20歳の誕生日が迫っている事件)がどのように取り扱われるかということかと思います。
少年事件では、検察官は全件を家庭裁判所に送致しなければならないとされていますが,少年事件は20歳未満を対象とした手続きであるため、家庭裁判所の審判までに本人が20歳以上であることが判明したときは,家庭裁判所は検察官に送致(逆送)することになります。
検察官への送致後は、成人に対する刑事手続きとしと扱われることになり、起訴するか否かが判断されることになります。ただし、検察官は、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」(刑事訴訟法第248条)とされており、20歳前の
犯行であることも起訴するか否かの判断の際、考慮される事情と思われます。
警察が立件しない(警察の厳重注意)、検察の不起訴処分になる可能性はどの程度のパーセントかはわかりかねますが、私のサポート経験に照らすと、起訴までする必要のある事案とは思われません。
警察から呼び出し等あった場合には、速やかに弁護士に直接相談し、適切な対応のアドバイスを受けて下さい。
【参考】少年法
(審判を開始しない旨の決定)
第十九条 家庭裁判所は、調査の結果、審判に付することができず、又は審判に付するのが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければならない。
2 家庭裁判所は、調査の結果、本人が二十歳以上であることが判明したときは、前項の規定にかかわらず、決定をもつて、事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
【参考】刑事訴訟法
第二百四十八条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。
1.単純所持の場合には既に削除してあったとしても、過去に持っていたのであれば罪に問われてしまうとのことですが、前科は避けられないのでしょうか?
少年事件であっても、削除されていれば、その先の処分には進みません。前科前歴にはなりません。
2.既に削除してあったとしても、警察が復元した際に動画が出てくれば、問答無用で単純所持となり、罪に処されてしまうのでしょうか?
→復元というのは、削除されていたということなので、刑事処分にはなりません。
復元されて、入手経路を問われることはあります。
3.もし警察からの取り調べを受けた際、どのような受け答えをするのが、正しいのでしょうか?誤ってダウンロードしてしまった。そのため、すぐに削除したと言えば良いのでしょうか?
→ ダウンロードの具体的な経緯と、削除の具体的な経緯です。
4.私には金銭的余裕がないため、スマホの物理的破壊のようなことはできませんが、今からでも私にできる対応は何かありますか?
→削除されている場合は、現時点で、弁護士の援助をうけて適切な対応をすれば、捜索も回避できることが多いですし、検察庁まで行かないことが大半です。厳重注意にもならないと思います。