習い事の規約による支払い義務
子どもの習い事の退会規約トラブルについてご相談です。
子どもの習い事の先生からの高圧的な態度や、説明のない購入品(その納期や値段も示されず必要ギリギリまで「注文忘れてた」等言われました)により信頼関係が崩れ、私の精神的にも苦痛になってしまったので退会する旨を伝えました。
すると規約にあるので15日以降の申請だと翌月受理になりさらにそこから2ヶ月月謝の支払いが必要だと言われました。
問題となっていた購入品も支払いを命じられ、着払いで送ると言われました。
コーチはいても先生しか購入品の把握をしておらず、先生もいない場合が多く、生徒側からの連絡は禁止されており、すべてが一方的でした。他の保護者の方にも相談し意を決してお電話をかけたところ、他の生徒といるため邪魔、迷惑だと言い放たれ、購入品の遅れや自身が忘れていたことへの謝罪は一言もありません。
「じゃあどうすればよかったのか」という思いしかありません。
月謝も購入品も決して安価ではないので、傷つけられ不快な思いをしたあげく行ってもいないレッスンや未使用の購入品にも支払い義務があるのかお伺いしたいです。
規約には小さな文字でびっしりと色々書かれており、それが入会届だったためにサインしております。
契約書を見なければ断言できませんが、「15日以降の申請だと翌月受理になりさらにそこから2ヶ月月謝の支払いが必要」との主張の根拠となる条項は、消費者契約法10条に違反し、無効となる可能性があります。
着払いで送られてきた荷物は、購入に納得していないのであれば、とりあえず受取拒否をしておくのがよいです。
争う余地はありますので、お近くの法律事務所や、市役所・弁護士会の無料法律相談を利用されるのがよいと思います。
松尾先生アドバイスありがとうございます。
消費者契約法10条に違反というのは詳しくはどのような点になりますか?
あちらは「これで17年間やってきた」「文句があるならなぜ先に言わない?」という点でした。
こちらは契約サイン=入会届だったので当島は信用し期待していたので辞めることなんて考えておりませんでした。その後の講師の態度や説明から小さなことが重なって不信感が募り退会に至ったという流れです。
あちらの対応も完璧ではなかったと言えますが、規約が全てになるのでしょうか?
消費者契約法10条は、消費者の権利を制限する条項は無効であると規定しています。
習い事で指導を受ける契約は準委任契約となりますので、通常はいつでも解除可能(民法651条1項)です。
しかし、本件の契約では、解除ができる時期が決められており、「消費者の権利を制限」(消費者契約法10条)しています。
したがって、「15日以降の申請だと翌月受理になりさらにそこから2ヶ月月謝の支払いが必要」という条項があったとしても、その条項は無効です。
なお、相手方は、相手方に不利な時期に解除されたので損害が生じたなどと主張してくるかも知れませんが、少なくとも1ヶ月分の月謝に相当するような損害は生じていないと思われますので、真に受ける必要はありません。
「これで17年間やってきた」「文句があるならなぜ先に言わない?」という主張は、法的には意味がないので無視して構いません。
ありがとうございます。
また支払っていない正当なものは1ヶ月分となります。そちらも済ませずこのままでいいのか不安になりますが、支払いに納得行かないとお伝え致したところ結局「けいやくにサインをしたのだから」でした。4ヶ月分月謝も衣装代も支払いを拒否したままでいられるでしょうか?
正当なものについてはお支払いした方がよいですが、どこまでが正当な請求であるかは、契約書の内容や勧誘時の説明等を精査しなければ、はっきりとは断定できません。
お近くの法律事務所や、市役所・弁護士会の無料法律相談で詳しくお話をされた方がよいです
また、消費者生活センター(https://www.kokusen.go.jp/map/)も親身に相談に乗ってくれますので、一度ご利用されることをおすすめします。
松尾先生ご丁寧にありがとうございます。
以前に消費者センターにご相談させていただいたところ、「契約書に書いてあるならば仕方ないと思う」「購入品の支払いについても一度頼んだものと捉えられるので支払いを拒否する理由にしては精神的威圧などでは弱い」と言われてしまいました。
「契約書に書いてあるなら仕方ないと思う」というのは、支払いを強制される理由にはなりません。
契約書に書いてあっても、消費者の利益を一方的に害する条項は消費者契約法10条により無効となります。
また、余分に請求されている月謝は、実質的には違約金と類似する性質のものと思われますので、消費者契約法9条1号が適用される余地があります。
消費者契約法9条1号は、要するに『大した損害が生じないのに違約金をぼったくるな』という条文です。
生徒が1人辞めたことで生ずる損害として、2ヶ月分の月謝を請求するのはやり過ぎだと思います。
一度弁護士会等の無料法律相談で弁護士に直接相談されるのがよいと思います。
規約の内容、購入品の性質、入会システム等の具体的な事情によりますが、少なくとも減額交渉の余地はあると思います。
松尾先生、ご丁寧にありがとうございます。とても分かりやすく、励みになります。
購入品については、『17年間、延べ300人以上の生徒を見てきましたが、このような主張をされ続けて、払わないとおっしゃる方は初めてですので、非常に困り戸惑っております。
どうしても払えないのならば、この衣装の代金はチームの運営費から補填していかないとならないため、チームの保護者のみなさんにも経緯などご報告をし、承諾いただいて、補填させていただきますので、ご了承ください。』
とのメールが来ておりました。
月謝分については弁護士に相談し法的手続きをとりますので。と。
こちらは先生の横柄な態度や説明がなさすぎる運営方法への不信感などが原因で退会に至った点をお伝えし、「購入品のお支払いには納得致しかねます」とだけ言っていたのですが、一度も謝罪もなければ「世間一般常識的にお話のできない方のようなので」とまで言われてしまい、その上法的手続き(調べたら財産差押えなどとでてきたり…)かなり精神的にも参っております。いっそのこと全額支払ってしまえば楽になる、という思いと、一度も非を認めてもらえないのに法的手続きという脅しのような言葉か
けられ支払うのも悔しいという思いもあり悩んでおります。
松尾先生の教えてくださったことを軸に無料相談の電話をさせていただこうと思います。混み合っているようなのでがんばります。
本当にありがとうございます。