銀行と長男の共謀(遺産の不正引き出し)について

父が亡くなった後、長男が銀行に行き、相続人全員の印鑑証明書がないにも関わらず、預金500万が全て引き出され証拠隠滅の為に解約までされていました。
銀行に問い合わせたところ、遺産分割協議書も印鑑証明書も戸籍謄本も未提出ですが、支店長判断で全額引き出し長男に現金を渡したとの事です。
当時の支店長は退職済みでなぜ払い出したかは不明との説明がありました。

法律上、遺産分割協議書の他に相続人全員の印鑑証明書と戸籍謄本が必要なはずなのに銀行の支店長の判断で引き落とされた事は犯罪にはならないのでしょうか?

現在、銀行側の弁護士からは長男に現金を分けるよう働きかける事しかできないと言われモヤモヤしております。

銀行と長男に損害賠償請求をかけることは可能でしょうか?

根拠なく預金全額が引き出されていたのであれば、長男に対し、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求が可能と思われます。

ただ、お父様の遺言が利用された可能性も検討しておくべきかと思います。預金引出しのケースでは、遺言が悪用されている場合もあります。公正証書遺言の場合、相続人などの利害関係人は、最寄りの公証役場で遺言公正証書の検索や謄本の請求を行うことが可能です。一度、問い合わせ、確認してみてもよろしいかと思います。

いずれの法律構成で請求して行くのが適切か、銀行も相手にすることが可能か等、証拠関係を踏まえ、検討して行くことになります。

いずれにしましても、ご不明な事情がある等複雑なご事案かと思いますので、一度、弁護士に直接相談してみることをご検討下さい。

遺言書はありません。

銀行を相手取り、調停や審判にかけるのは可能でしょうか?
兄の弁護士は銀行側の対応に則ったと説明するのみです。
銀行側は責任がないのでしょうか?

銀行を相手にするなら、家事調停ではなく、民事調停になるかと思いますが、民事調停はあくまで話し合いのための手続きのため、銀行が責任を認めない場合には、民事訴訟の提起を検討することになるかと思います。

 預金債権については、近時、裁判実務で以下のような大きな変更がありました。
 すなわち、最高裁(大法廷)判決平成28年12月19日(※)で、従来の判例を変更し、「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる。」との判断が示されました。

 お父様が亡くなられた時期によっては、この最高裁判所の判例を踏まえた対応を銀行側が行っていたかが問題となり得ます。当時の支店長が退職していようと、銀行は支店長の使用者であり、当時の使用者の対応に過失があれば、銀行に対して預金取引上の契約責任ないし不法行為責任(使用者責任)を追求できる可能性があります。
 ただし、銀行を相手とする訴訟となるため、あなたの側もしっかりとした検討•準備•対応を要するものと思われます。
 あなたが感じられているように、銀行側の回答は歯切れが悪いように思います(長男を相手に請求するよう誘導しているようにも受け取れます)。

 いずれにしても、この相談掲示板(簡易な相談と回答)の守備範囲を超えたご相談かと思いますので、預金の引出し•解約関係の証拠等を持参した上で、一度、弁護士に直接相談し、必要であれば依頼を検討してみて下さい。
 なお、預金の引出しから時間が経過し過ぎてしまうと、時効の問題なども出てくるので、早めの相談をなさるのがよろしいかと思います。

※(参考)裁判所の裁判例検索サイト
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354

いくつか方法があると思います。
1 長男と銀行の双方を一度に訴える方法です。
2 もし預金以外に遺産があるなら、その遺産と預金を併せて分割の対象とする遺産分割の調停申立てをして、引出し分を考慮して、残余財産から多めの遺産の分配を受けるという方法も考えられます。