不貞示談合意書の守秘義務について
配偶者の不貞疑惑のため、相手方との間に取り交わした示談合意書について、確認させてください。
相手方意向より、書面は不貞ではなく「不適切な関係」の表記とし、第三者への口外を禁ずる守秘に関する項目を盛り込んだ内容にて合意しました。
今般、配偶者から婚姻費用分担請求調停を申立てられております。
示談合意書面の写しを、調停委員へ提出し、配偶者の不貞を主張することは問題ないでしょうか?
守秘に関する項目における「当事者」・「第三者」の示す範囲をご教示いただけますと幸いです。
なお、現時点において、配偶者は不貞疑惑および相手方への慰謝料請求について一切知りません。
それは問題ないでしょう。配偶者は当事者ですし、不貞行為の証拠としての提出には正当な理由があります。ただ、不貞相手から慰謝料を受け取ったことが配偶者に発覚すると、配偶者側はすでに慰謝料を受け取っているのだから支払い義務がないと主張してくることは予想できます。
婚姻費用分担請求にあたり、不貞行為をした者が自分の生活費を請求するのは信義則に反することから、その支払いを拒絶することを認めた裁判例があります。
そのため、示談書を提出して、婚姻費用の支払いを拒むということは考えられます。
ただし、相手方が未成年の子を監護している場合、養育費相当金額については支払いを拒絶することができない可能性はあります。
子がいない場合には全額支払いを拒絶できるかもしれません。
もっとも不貞行為ではなく、不適切な関係とぼかされているため、不貞行為はなかったと主張される可能性はあると思います。