離婚前の生活費差額 支払義務について

現在別居中です。離婚協議を進める中で、同居していた期間の生活費の差額を請求されました。この件に関して支払う義務があるのか相談させていただければと存じます。

私たちはお財布は別で生活費は分担していました。相手が家賃と光熱費を負担していたので確かに私よりは多く支払っていたかと思います。
しかし、この分担は私が一方的に決定したものではなく、お互いの合意のもと決定しました。
離婚の原因もどちらかに決定的な理由があるわけでなく性格の不一致です。
このような場合も支払う必要があるのでしょうか?
ちなみに、収入は相手の方が高いです。

もし、支払う必要がないのであれば、弁護士の先生へお願いをすれば、支払う必要はないというような書類を作成いただけるものでしょうか。

同居終了までの生活費の負担(分担)について、「この分担は私が一方的に決定したものではなく、お互いの合意のもと決定しました。」という事実が存在するのであれば、同期間の生活費の差額を当然に支払わなければならないということにはならないと考えます(私個人の見解です。異なる見解もあるかもしれません)。
 但し、この分担(貴女の方が家計費の分担額が少ない)により、婚姻期間中(正確には同居期間中)形成された財産についてみると、貴女の方が相手方よりも多く財産が形成されたということになれば、財産分与の問題として検討する余地はあると思います。もちろん「私たちはお財布は別で」ということであれば、恐らく共働きで、それぞれが収入を得ておられたということでしょうから、夫婦別産制の考え方からすれば、夫婦それぞれの財産には共有推定は働かないと思います。しかし、支出した家計費の差額分で貴女の財産が増えたという事実があれば、その部分(同居期間中に形成された貴女の財産の内、当該差額相当額)については共有財産として、その2分の1相当額を相手方に分与するべきとも考えられます。このあたりは、婚姻期間、具体的な収入状況、財産状況、生活費の支出状況、家事の分担状況、形成された財産、等に照らして詳細に検討する必要があると思います。
 離婚協議をされているということですので、一般的な離婚協議事件として弁護士が受任することは当然可能です。その場合、通常は、①離婚すること(協議離婚)、②財産分与の有無・額、③慰謝料の有無・額、(その他、未成年のお子様がいらっしゃれば、当然④親権者の指定、⑤養育費の有無・額、さらには⑥面会交流の方法、等についても)について離婚協議書に記載することになります。同居期間中の生活費の分担清算については、一般的には「財産分与」に含めて清算することになると思います。

浜田先生
早速のご回答誠にありがとうございます。
必ずしも支払う必要はないが、その差額によって私の財産が増えている場合はその1/2を相手に支払う必要があるということですね。承知しました。わかりやすく教えていただき誠にありがとうございました。

仰るとおりです。
 ただ、単に貴女の財産が増えていたという事実だけで分与しなければならないとは限らないと思います。例えば、家計費の負担額は相手方が多くなっていたとしても、その分、貴女が家事労働(炊事、選択、掃除、等)を多く負担していたというような場合です。専業主婦の場合、これも「内助の功」の重要な要素として認められ、一般に婚姻期間中に夫の収入により形成された財産の2分の1について財産分与が認められます。ですので、トータルで考える必要があると思います。