子供の誕生に伴い引っ越しを求められた

現在、1LDKのマンションに住んでいる者です。当マンションの入居にあたっては、仲介業者より重要事項説明書を提供され、貸主とは賃貸借契約書を締結しています。

また、当マンションは妻とともに住むために借りたものであり、契約書内の入居者欄に私と妻の2人の名前が記載されています。

今年10月、妻との間に子供が誕生しました。そこで、重要事項説明書内の以下内容を受けて、貸主に子供の誕生を知らせる連絡をしました。

◯重要事項説明書
貸主は借主に次に該当する義務違反があった場合、当該義務違反により本契約を継続することが困難である認められるに至ったときは、本契約を解除することができる。
・賃貸借契約書に記載する入居者に、新たに親族(出生を除く)及び親族以外のものを追加すること。
・貸主へ通知することなく、賃貸借契約書に記載する入居者に、新たに出生による親族を追加すること。

そうしたところ、貸主より「当物件は単身者用物件であり、基本的に新生児の入居は認めていない。よって、今後引っ越しの検討をお願いしたい」と言われました。またその際に、賃貸借契約書の以下文言を示されました。

○賃貸者契約書
本物件に居住する入居者は、標記(私と妻)のとおりとし、借主は貸主の承諾なく、入居者を増やしてはいけない。

私としては、重要事項説明書の記載に基づき、貸主への通知さえ行えば出生による入居者の追加は可能であると考えていましたが、当該文言と矛盾する契約書内の条項を提示され、戸惑っています。

また、単身者用物件であるとの指摘ですが、当時の募集広告、重要事項説明書、賃貸者契約書のどこにも単身者用である旨の記載はありません(過去には同マンションに子供2人の家族連れが住んでいる部屋もありました)。

一応貸主からは今すぐ引越しはし無くても良いとは言われており、また私たちも現在一戸建てを建設する打ち合わせ中で来年6月頃には引っ越す予定がある旨を伝えています。

ただ今後、隣の部屋から子供の泣き声等に関する苦情があるなどして、今回の契約書内の文言を元にすぐの退去を改めて求められてしまった場合、やはり退去せざるを得ないのでしょうか。

重要事項説明書と契約書とで矛盾した内容が記載されている場合の考え方含めて、ご教示いただけますと幸いです。

貸主(賃貸人)側の説明は、貸主側に都合の良い解釈に基づいており、そもそも借主(賃借人)側のあなたに契約条件の違反が認められるのか疑義があります。

また、仮に契約条件の違反が認められるとしても、軽微な違反では、貸主は賃貸借契約を解除することはできません。賃借人が契約条件の違反を理由に賃貸借契約を解除することができるのは、賃貸借契約の当事者間の信頼関係が破壊されたといえる程度の違反が賃借人側に認められる必要があります。

以上のような観点からすると、貸主があなたとの賃貸借契約を解除し、直ちに退去を求めることはできないように思われます(あなたが引越しを考えている来年6月頃よりも前に貸主側があなたのご家族を現在入居中のマンションから退去させることは法的には難しい状況かと思います)。

もし、貸主側から賃貸借契約の解除による退去を再び求められるような場合には、賃貸借契約書と重要事項説明書を持参の上、お住まいの地域の弁護士に直接相談する等して、適切なアドバイスを受けて下さい。

ご回答ありがとうございます。
直ちに退去を求められる可能性は少ないとのことで、安心いたしました。

ちなみに、契約書内には「本契約の各条項に違反した場合、貸主は何ら催告せず、直ちに本契約を解除できる」ともあります。

入居者を貸主の承諾なく増やしているという点でもって、契約違反を主張し契約解除される可能性もあるのでしょうか。