マンションの賃料交渉、立ち退き交渉について

・2022年6月港区三田の区分マンションを購入
・現入居者が90歳男性、賃貸借期間が23年3月まで、とのことでその後自分が入居することを目論見て購入を決断
・しかし、購入後挨拶に伺った際に、入居者から引き続き住み続けたい意向があるとの相談を受ける
・当方としては、高齢で子どももいない方であることを踏まえ倫理的な観点からその申し出を承諾
・一方で現況賃料22万(27坪、坪単価8200円)と市場価格対比破格に格安
・市場賃料は50万円程度と考えられる、また、リノベーションをすれば65万円程度も可能(Ken Corporationヒアリング)
・かかる点を踏まえて、せめてもということで賃料増額の依頼をしたところ先方から一切応じられない旨書面にて返答有
・契約満了は23年3月、オーナーから更新拒絶の旨は22年9月までに通知することで可能という賃貸借契約
・当方としては友好的な妥協案ということで賃料増額の依頼を22年9月末にしたもののゼロ回答だったため、退去を促したい
・40万程度までの賃料増額を容認してもらえるのであれば引き続き賃貸する意向あり

このような状況で先方と話をしていただける弁護士の方を探しております。

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借地借家法という法律で建物賃貸借契約の更新拒絶の要件が定められています。
①そもそも期間満了の六月前までに更新拒絶通知を賃借人に行っていますでしょうか。
②更新拒絶の通知には、正当の事由が認められる必要があります。この正当の事由は、賃貸人の建物使用を必要とする事情•賃借人の建物使用を必要とする事情のほか、従前の経過,建物の利用状況,建物の現況,いわゆる立退料の申出を考慮して判断するものとされています。
③更新拒絶通知をしていた場合でも、賃貸借期間満了満了後も賃借人が建物の使用を継続する場合には、賃借人に対して遅滞なく異議を述べておく必要があります。
 
これらの更新拒絶の要件を充足しているかという観点も踏まえ、退去を求めて行くのか、賃料増額を求めて行くのか等の方針を検討していく必要があろうかと存じます。

いずれにしても、賃借人のご年齢など悩ましい事情もあるご事案ですので、賃貸借契約書等を持参の上、弁護士に直接相談された方がよろしい事案かと思います(この掲示板での簡易な相談と回答の守備範囲を超えたご相談のように思われますので)。

【参考】
(建物賃貸借契約の更新等)
第二十六条 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
2 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

賃料増額の適否は、直近合意時点(賃料改定を行った一番新しい時点です)からの経済情勢の変動等のほか、直近合意時点における新規賃料と現行賃料との差額等によって判断されます。
いくらの増額が相当であるかは、通常、『継続賃料』の『鑑定評価』を行うことによって判断されます。
したがいまして、まずは増額が認められる事案であるか、不動産鑑定士(もしくは不動産鑑定士資格を有する弁護士)にご相談された方がよろしいかと思います。
(なお余談ですが、継続賃料の鑑定評価書作成は最低でも50万円~100万円程度の費用が必要になるかと思われます。)