証拠保全手続きについて
今春オペした病院に対してカルテ(診療録)のみ開示請求をしましたが、改竄されているように思いました。
手術記録、看護記録、手術映像も開示請求したいと考えています。そこで今度は改竄されないように、証拠保全の手続きを取りたいと思いますが提訴前提でないと出来ないのでしょうか。もし、証拠保全だけして提訴しなかった場合、病院から逆に訴えられるようなことはあるのでしょうか。
裁判を起こした際、起こした後に証拠を調べるのでは手遅れになる場合に証拠保全が認められるので、基本的に「提訴前提」で行うことになります。
ただし、証拠保全で確保した証拠を確認しても、病院側の過失を基礎づける証拠が見つからない場合は当然あり得ます。
そのため、証拠保全のみで手続きを終え、実際には訴訟は起こさないということは往々にしてあり得ることです。
そして、その場合でも、病院から訴えられることは考え難いと思われます(証拠保全は、必ず認められるわけではなく、申立理由の有無を裁判所が実施するか判断して、裁判所の職責で実施されるものだからです。)。
ご丁寧な回答ありがとうございます。
また、証拠保全と文書提出命令申立と文書送付嘱託申立の違いは何ですか?
この部分ですが、裁判所に証拠保全の申立てをしても、認められるか否かは理由によると言うことでしょうか?
>証拠保全は、必ず認められるわけではなく、申立理由の有無を裁判所が実施するか判断して、裁判所の職責で実施されるものだからです。
「改ざんを防ぐため」というくらいの理由では、認められないのですか?
例えば、認められるものとしては、どのような理由があるでしょうか?
>また、証拠保全と文書提出命令申立と文書送付嘱託申立の違いは何ですか?
すみません。基礎的な用語の説明になるかと思いますので、図書館等で「民事訴訟法」に関する教科書を確認いただけると助かります。ここでは当職からは回答を控えさせていただきます。
>裁判所に証拠保全の申立てをしても、認められるか否かは理由によると言うことでしょうか?
その通りです。そして、どのような証拠を押さえるか。その証拠を、申立人が相手に開示を求めることができる法的根拠は何か。なぜ、それを裁判を起こす前に確認する必要があるか。それぞれ、個別具体的に説明を求められることになります。専門性がかなり高いので、弁護士に依頼せずに、証拠保全の手続きをお願いするのは基本的に難しいと思われます。
>「改ざんを防ぐため」というくらいの理由では、認められないのですか?
例えば、認められるものとしては、どのような理由があるでしょうか?
裁判を起こすまでの間に「廃棄される可能性」「散逸してしまう可能性」等がありますね。
ご回答ありがとうございます。
2つ目の回答ですが、証拠をみつけるために開示するものではないのですか?
開示するための証拠というのはどういうことでしょうか?
>どのような証拠を押さえるか。その証拠を、申立人が相手に開示を求めることができる法的根拠は何か。
一番最初の質問に書いたように、診療録が改ざんされていたように思うのは証拠として成り立ちますか?「思う」だけであって、真相は病院にしか分かりません。改ざんしたよね?と聞く訳にはいきませんし。
>開示するための根拠(注:証拠ではありません)というのはどういうことでしょうか?
条文には明確に記載されていないのですが、相手方がなぜ、申立人が目録に掲げた文書の開示に応じなければならないのか、裁判官から説明を求められたことがあります。たとえば、裁判になった場合に相手方に提出を求めても、法的に提出を義務付けられないような書類については、裁判官が証拠保全の決定を出すのに難色を示す場合があります。
>診療録が改ざんされていたように思うのは根拠(注:証拠ではありません)として成り立ちますか。
私見ですが、「改ざんされていたように思う」とすると、すでに改ざんが終わっていることになるので、証拠保全の必要性を否定する方向の事情になると思われます。なぜ、「改ざんされていたように」思ったのかというその判断材料の方が、証拠保全の可否を判断する上で重要かもしれません。個別具体的な話になりますので、一度最寄の法律事務所・弁護士会等の弁護士に法律相談を申し込まれてください。
当初のスレッドの質問の範囲(Q提訴前提でないと証拠保全できないのか、Q証拠保全後に提訴しない場合病院から訴えられるのか)から外れてきていると思われますので、一旦私からの回答を終わらせて頂きます。
ご丁寧にありがとうございました。