芸能事務所 契約解除の際の競業避止義務について
近日、準所属てして所属している芸能事務所を退所しようと考えております。
ですが、契約時にサインした契約書及び先日マネージャーと話をした際に「退所後6ヶ月は、他の事務所に所属することはしないでください。フリーであれば大丈夫？」のようなことを再確認させられました。
しかし調べる内に、こちらの記事 https://www.sankei.com/article/20191127-WGFGCIW2YFIUZAV5G26XAMTL6Y/?outputType=amp でもありますように、その契約が競業避止義務というものにあたり、それは違法(独占禁止法)であり、優越的地位の濫用にあたると知りました。
これは改めて契約解除のサインを書く際に、マネージャーに伝えるか、弁護士を同席させるかした方が良いのでしょうか？
もしくは、何かほかの良い方法はありますでしょうか？
回答未了のようでしたので、少し情報提供致します。公正取引委員会という国の機関が「芸能分野において独占禁止法上問題となり得る行為の想定例」として、「所属事務所が，契約終了後は⼀定期間芸能活動を⾏えない旨の義務を課し，⼜は移籍・独⽴した場合には芸能活動を妨害する旨⽰唆して，移籍・独⽴を諦めさせること（優越的地位の濫⽤等）を例示しています。
あなたのケースでも、これにあたる可能性があります。
ただし、「※これら⾏為が実際に独占禁⽌法違反となるかどうかは，具体的態様に照らして個別に判断されることとなる。例えば，優越的地位の濫⽤に関して，不当に不利益を与えるか否かは，課される義務等の内容や期間が⽬的に照らして過⼤であるか，与える不利益の程度，代償措置の有無やその⽔準，あらかじめ⼗分な協議が⾏われたか等を考慮の上，個別具体的に判断される」という指摘もなされているので、ご事案に応じ、挙げられている事情を具体的に検討して行く必要があります。
退所を考えている現事務所にこれらの情報を伝えて不必要な移籍制限を課さないよう求める、現事務所による制限を伝えた上で移籍先とよく相談する、弁護士を代理人として退所を予定している又は退所した事務所と交渉してもらう等の方法があるかと思います。
（参考）「⼈材分野における公正取引委員会の取組」（令和元年９月２５日 公正取引委員会）６頁
https://www.jftc.go.jp/houdou/kouenkai/190925kondan_file/siryou2.pdf