遺産分割協議書に、全員の錯誤

専門家に頼んで、遺産全体から債務を差引いて、各人の相続した不動産等を計算して
売却した不動産の金額から各人の代金の受け取りをきめる計算書が作成されました。

ところが全員の署名捺印後、専門家の計算ミスが発覚しました。
成立まえに、だれ1人
計算について確かめるものはありません。
これは、全員の錯誤ですか。
遺産分割協議書に齟齬あったとすれば、遺産全体を評価した計算書に誤りがある以上、
この遺産分割協議書内容全て無効ということになりますか。

>この遺産分割協議書内容全て無効ということになりますか。

計算ミスに気が付かなかったことは「過失」に当たるので、錯誤無効を主張することは難しいと思います。

遺産分割協議がいつ成立したのか記載がありませんが、令和2年4月1日以降に成立したと仮定してご回答いたします。
そうしますと、まず前提としては錯誤に関しては改正民法が適用されることになりますので、民法95条の錯誤の要件を満たしていると認められる場合には、遺産分割協議を取消すことができます。(改正前は取消しではなく無効でした。)

もっとも、重過失が認められる場合には、相手方が錯誤を知り又は重過失により知らなかったとき、あるいは相手方も同一の錯誤に陥っていたときを除き、錯誤取消しを主張できないことになります。

質問者さんのケースでは、計算ミスに気がつかなかったことが重過失に当たるのかがまず問題となります。
この点については、詳細な事実経緯や遺産分割協議書を拝見しなければ何とも言えないところがありますが、1つあり得るものとしては、専門家が作成した計算書はその信頼性が担保されており、一般の方がその計算ミスに気が付くことは困難であり、過失があるとしても、重過失とまでは言えないとの主張が考えられるかと思われます。

また、仮に重過失であるとされても、前記のとおり、他の相続人が同一の錯誤に陥った場合には、錯誤取消しができることになります。

なお、取消しとなる場合にも、当該計算ミスの部分のみとするのか、遺産分割協議全体とするのか等についても議論があります。

より具体的なところについては、申し訳ありませんが、より詳細をお聞きしなければお答えすることは難しいので、一度お近くの弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。

おっしゃる通り、相手は重過失があるのですが、法律相談して専門家の計算
ミスなので、共通錯誤を主張しています。
今後,訴訟になりそうなので、金額部分のみか全体の無効かが問題になりそうです。
計算書は、遺産全体を評価したものなので、計算書のミスが錯誤無効となれば
全体の分割にも関連がでそうです。