入居者側が保護される法律はありますか?

このたび競売成立による退去通告を受け、継続して居住、もしくは立退料の交渉ができるのか知りたく、ご質問させていただきます。 
当方、今年の5月から某サブリース契約で有名になったシェアハウス(定期借家契約)に住んでおりまして、契約期間は2022年の5月〜2023年の5月までです。

住んで間もない5月下旬頃、
オーナー変更の通知書が届きました。(新オーナーの所有日は2022年4月下旬からと書かれておりました。)
契約書等の提出を求められていましたが失念しており、何事もなく生活しておりました。賃料等は問題なく支払いをしております。

その後、9月に頭に書面と内容証明書にて10月末までに退去せよとの通知書が届きました。
調べましたが、
抵当権により入居者は直ちに引き渡さないといけないのでしょうか?
借地借家法により6ヶ月前通達が必要と知りましたが、抵当権により無効なのでしょうか?

契約時には競売の件は分かり買っていたはずですが、オーナー変更など一切説明はございませんでした。
入居者に対してあまりにもひどい対応ですが、無知なためどのように交渉したら良いか分からず困っております。
お知恵をお貸しいただければ幸いです。

おそらく、民法395条の明渡猶予の問題に直面されている可能性がございます。

賃貸借契約書、重要事項説明書などを持参の上、対面での法律法律相談を受け、以下の事項などにつき、アドバイスを受けることをご検討下さい。

①物件の登記情報、賃貸借契約書、重要事項説明書などを確認し、抵当権者に対抗することができる賃貸借か否かのチェック

②抵当権者に対抗できない賃貸借の場合、買受時から6箇月経過するまでは明渡猶予の期間と思われるので、猶予期間の間に、新所有者と交渉を試みる(並行して、転居先も検討)

③新所有が交渉に応じない場合には、不動産引渡命令に対する不服申立てなどの検討(最終的には引渡しに応じなければならない可能性があることを踏まえ、対応を検討)

④重要事項説明書などをチェックし、現在お住まいの物件の賃貸借契約時に、対象物件が賃貸借契約期間中に民法395条の明渡猶予のトラブルが生じうる物件であること等が適切に説明されていたか否かも検討すべき事項かと思います(説明がなかったなどの場合には、あなたとの関係での賃貸人や仲介業者に対する責任追及も検討対象となります)。
※「契約期間は2022年の5月〜」「住んで間もない5月下旬頃、オーナー変更の通知書が届きました。(新オーナーの所有日は2022年4月下旬からと書かれておりました。)」という事情からすると、あなたが賃貸借契約を締結するよりも前に、既に競売による買受けがなされている可能性がありますが、重要事項説明書の記載はどうなっているのでしょうか。

【ご参考】
第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。

清水先生

お忙しいところご丁寧にお教えいただきまして、誠にありがとうございます。
抵当権に対抗することができない賃貸借になるかと思います。
重要事項説明書には、宅地建物取引業者、宅地建物取引士の住所の記載、供託所に関する事項、物件名の表示がございました。
仲介業者(管理会社)から重要事項の説明が無かったため仲介業者に申し立てを行いたいと思っております。
もしかするとお世話になるかもしれません。その際はどうぞよろしくお願い致します。