とある上場企業との営業支援サービスの契約に関して、契約破棄ができないと言われてしまっています

お世話になっております。相談させて頂きたいのは、企業との契約についてです。私は小さな会社を経営しております。今年の3月に、とある上場企業の人材採用支援サービスの営業電話を受け、「今申し込んでいただくとお安く使っていただける」とのセールス内容に魅力を感じ、「利用申込書」を電子契約で結びました。ただ、そこから資金繰りが悪化したため、利用予定だった9/20にまだなっていなかったので解約しようとすると、「契約書には解約不可と記載されており、もし解約する場合は違約金30%がかかる」と言われてしまいました。

そもそも契約書に「契約日」としての記載は「9/20日」とあったので契約はそこからだと思っていたのですが、契約書をよく読むと、「利用申請時点で書類の内容に同意したとみなす」と書かれておりました。その点を十分に説明されてなかったとお伝えしているのですが、先方からは、「御社は電子契約している。解約するのであれば違約金が必要。弊社としては解約する違約金を払わない限り、継続と見做して満額請求させていただく」と言われております。まだサービスも利用しておらず、請求されていることに理解ができません。契約書をよく読んでいなかった自分に非があることは重々承知なのですが、こちらの契約を違約金を払わずに解約できるものか?

専門家の方にご意見とアドバイスをお伺いしたいです。よろしくお願いいたします。

違約金は、賠償額の予定と推定するものとされています(民法420条3項)。そうすると、相手企業の主張している違約金は損害賠償の予定と扱われる可能性があります。

また、賠償額の予定のうち、著しく過大である部分については、公序良俗違反や信義則等を理由として無効とする裁判例があります(※)。

→ このような裁判例の考え方をあなたのケースでも適用•応用できる可能性があるかもしれません。ただし、裁判例の中には、無効主張が認められていないケースもあるため、契約書の内容等を踏まえ、精査する必要があるでしょう(また、裁判に発展した場合の見込みや裁判にかかる費用等を踏まえた、費用対効果の観点からの検討も必要かと思います)。

契約書などを面談で弁護士に見てもらった上で、検討されても良いかと思います。

※改正前の民法420条では、当事者は債務不履行による損害賠償額の予定をすることができ、この場合、裁判所は予定された額を増減することができないとされていました。
 しかしながら、上記のように著しく過大な部分を無効とする裁判例も存在していたため、改正後の民法420条では、裁判所が予定された損害賠償額を増減できないとする部分は削除されています。