憲法改正で「天皇は元首」と明記されたら、「天皇は元首か否か」の法学的議論は自動的に終了する事になる?

自由民主党の日本国憲法改正草案では、
「天皇は元首」であると明記されています。

現在、天皇が元首といえるかどうかについては学説上争いがあり、
「天皇は政治上の権能を有さず、
また外交上条約の締結などの権限を行使していない。」
という理由で、
天皇は元首ではないという説も有力です。

しかし、もし今後、憲法が改正されて
「天皇は元首」と明記されてしまったら、
天皇の権限自体はこれまでと一切変わらなくても、
無条件で「天皇は元首」ということになってしまうのですか?

つまり、これまで法学者の間で議論されていた
「天皇は元首かどうか。」
という論争は、
憲法改正に伴い問答無用で強制終了させられてしまい、
「天皇は元首である。」
ということで決着させられてしまうのですか?

疑問に思ったので、よろしくお願いします。

「天皇は元首か」という論争が、憲法改正により下火にはなると思いますが、議論がなくなることは考えにくいです。法律の解釈学はいつでも少数説が存在します。質問者提起の問題を「自衛隊は合憲か」という論争に替えてみて想像してみてください。自衛隊を憲法に明記した場合に議論がなくなるかということと同じです。

ご回答ありがとうございます。

「天皇は元首か」という論争は、
憲法改正により「天皇は元首」と明記されても
議論がなくなることは考えにくいのですね。

それはつまり、
日本国憲法上の「元首」の定義と
国際法上の「元首」の定義とは
必ずしも一致しないため、
という理解で合っていますか?

すなわち、
日本国憲法にて「天皇は元首」と定められたら、
日本国憲法上の「元首」の定義では
「天皇は元首」であることに争う余地は無くなると思うのですが、
それとは別に、
国際法上の「元首」の定義では
「天皇は元首」といえるかどうかについて
未だに議論の余地は残っている、
ということでよいのでしょうか?