引越し業者の過失を原因とする損害賠償

最近、賃貸マンションから退去し、引越しをしました。
引越しの際に引越業者に依頼し、家具等を新居へ運んでいただいたのですが、
依頼した引越し業者が、退去する賃貸マンションの共用部(エレベーターの扉)に物をぶつけて傷を付けてしまいました。

後日、私が居住していた専有部分に対する原状回復の明細が賃貸人から送付されてきたのですが、
当該明細に引越し業者が付けた共用部のキズに関する原状回復費用も計上されている状況です。

上記現況を踏まえ以下ご相談させていただきます。

私と引越し業者間は請負契約における「注文者(私)」と「請負者(引越し業者)」の関係であり、
請負業者が第三者に対して損害を発生させた場合、賠償責任は、注文者には及ばないと考えておりますが、
上記私の考えに間違い等はございますでしょうか?
(民法716条)※注文や指図等に過失は無いという前提となります。

浅学で大変恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。

不法行為責任を前提とするならばご指摘のとおりです。
他方、ご質問者様は賃貸借契約上の債務も負っており、債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。
理由:賃借人は専有部分及び共用部分を適切に使用する義務を負っております。今回の引越し業者は、ご質問者様のいわば手足として引っ越しを行なっていますので、いわゆる履行補助者に該当する可能性が高いです。それ故、ご質問者様自身に過失がなくとも、引越し業者の過失がご質問者様の過失と同視されるため、債務不履行責任を負う可能性があると思います。

引越し業者は、傷を付けてしまったことについてどのように対応すると言っていたのでしょうか?
引越し業者が賃貸人に直接支払うと言っていれば特に問題ないかと思いますが、そうでなければ、匿名A弁護士も指摘するようにあなたが賃貸人に対する関係では支払義務を負い、支払った後に引越し業者に請求するということもあるかと思います。

お二方ともご丁寧にご回答いただき、御礼申し上げます。
大変勉強になりました。

引越し業者から賃貸人に直接賠償いただけるか等、検討させていただきます。