名誉棄損罪やその他の罪になるのか?

先日、SNS上で口論となっていた相手から訴えをほのめかす返信が来ました。 相手もこちらに対する誹謗中傷をしていたように思うのですが、それを指摘すると、無視します。 一応、自分で名誉棄損について調べてみたら、誰でも見られるという公然性はあるものの、社会的評価を下げるという部分が皆無のような気がします。(私も相手も個人が特定できないような匿名で相手のアカウントを見ても本名の記載などはなく、年齢、性別、住所などのようなものは不明)

これでも名誉棄損罪になるのでしょうか? あるいはその他の罪になり得るのでしょうか?

具体的な文言については、念のため非公開でお伝えしたいのですが、その場合は相談料が発生しますか?

文言によるかと思います。断言できません。
ちなみに、アカウントから誰の話か分からないという点は、いわゆる特定性の問題であり、その文言が社会的評価を下げるかどうかとは別の問題ですのでご留意ください。

非公開での相談は私は有料です。

お忙しいところ、ご返信ありがとうございます。

①文言は、勝手な憶測(妄想?)による悪口を書いてきたので、「このような誹謗中傷するなんて、いかにも頭の弱い人って感じだな(笑)」というようなことを書き込みました。   決め手となったのはおそらくこれだと思います。 また、これ以前にもこちらが誹謗中傷(根拠のない悪口)の書き込みをされたと感じたので、「誹謗中傷したことを訂正したり謝罪したりはしないのか?」と書いたことを含めて(謝罪強要だ!ということでしょうか? してませんけど。)、訴訟をほのめかしてきました。 

②「ちなみに~ご留意ください」の部分に関してですが、 同定可能性がない場合、どうやって社会的評価が下がるのでしょうか? 他の弁護士の方が、「ハンドルネームでは名誉毀損罪や侮辱罪が成立しないと判断される(ペンネームや芸名などのようなものは除く)」という見解を示されていましたが、 佐藤 充崇 弁護士は、違ったお考えということでしょうか?  

①、②について、ご回答よろしくお願いします。

①については、どっちも微妙です。「このような誹謗中傷するなんて、いかにも頭の弱い人って感じだな(笑)」というのはボーダーラインぎりぎりという感じで、裁判官によって判断が分かれそうです。文脈によります。
「誹謗中傷したことを訂正したり謝罪したりはしないのか?」は相手の発言がどのくらいひどいものかでだいぶ話が違います。

②ですが、同定可能性がなければ社会的評価は下がらず、名誉毀損罪が成立しないのは確かと思います。その「他の弁護士」はおおよそ間違っていないと思います。
私がいっているのは、同定可能性の問題と社会的評価低下は基準が全く異なり、分けて考えないといけないのです。質問文からはそれが混同されているように見受けられましたので、そう書きました。
もしご存知でしたら申し訳ありません。

たとえば、突然私がいまここで、「あいつは詐欺師だ!」と言ってみたところで、誰の名誉毀損にもならないかと思います。「あいつ」って誰か分からない、すなわち同定可能性がないからです。
ただ、詐欺師よばわりは通常は社会的評価低下を伴います。ですので、文脈から「あいつ」が誰のことか特定できる場合、発言者は名誉毀損罪が成立するでしょう。
「あいつ」って誰なのか第三者から見て分かるのかと、「詐欺師」という表現はいわれたほうの社会的評価を下げるのかは、全く別問題で、分けて考えないといけません。

ご返信ありがとうございます。

①の決め手となったと思われる文言に関してですが、もともとなぜか相手はこちらの年齢を探ってきていまして、こちらとしてはそんなこと関係ないことだと思っていましたし、これ以上話が拡大するのは嫌だと思ってずっと流していました。それで業を煮やしたのか、「こちらの話を理解できていない(理解していたと思います。)、可哀そうになる、(こちらのことを憶測で)おじいちゃん」などと呼び、「ご家族は大変ですね」や「おじいちゃんは自分がコメントした内容も覚えてないのかな?」さらには何の脈絡もなく「キャバクラの行き過ぎに気を付けて余生を楽しんで」などと書いてきました。 ※こちらは年齢に関することを何一つ書いておりません。 なのでこれらを総合的に見て、何の根拠もない悪口(誹謗中傷)だと思い、「このような誹謗中傷するなんて、いかにも頭の弱い人って感じだな(笑)」と書きました。
二つ目の「謝罪したりしないのか?」に関して、「相手の発言でだいぶ話が違います」とありますが、脅迫、暴力などしていないのに強要罪が成立するんですか? 相手の発言は、こちらが普通に返信しているにも拘らず、なぜか「このやり取りをたくさんの人に見てもらいましょうね。 都合が悪くなると話を逸らして逃げる大人にはなりたくないものです。」と話を捏造してきました。 (長くなってしまい、すいません。)

②は、刑事訴訟の名誉棄損罪、侮辱罪はないものの、民事訴訟の名誉感情の侵害かどうかの話だと思いますが、詳細を①で書きましたので、出来れば断言してもらいたいです。 裁判所が発信者の情報開示を認めること(意見照会書が届く可能性)はありますか? ありませんか? そして、この程度(個人的にはアホ、バカなどと同列で軽微な表現と考えておりました。)で民事訴訟の損害賠償請求が認められるものなのでしょうか? この前挙げた他の弁護士とは、また異なる方が「名誉感情の侵害で開示請求は理屈上は可能ですが、実務上開示を求めることがなかなか難しい」と書かれていました。 

①、②について、再びご回答よろしくお願いします。

書き忘れてました。場所はyoutubeのコメント欄です。

まず正直申し上げて、このココナラ法律相談の掲示板の形式で、判断に必要なすべての情報を得ることは不可能です。また無料相談なんで、かりに全ての情報を何とかしてお答えいただいたとしても、私はここでは断定的な回答できない可能性が高いです。
思いつくだけでも①youtubeのコメント欄とあるが、何の動画のコメント欄なのか、②なぜ動画の内容の話からずれているのか、③相手と相談者の方のアカウント名や公開情報はどの程度なのかなど、まだ情報が足りません。この掲示板で回答できることには限界があります。御理解頂きたく存じます。

①については、発信者情報開示が認められてしまう可能性はわずかながらあるものの、訴えられたら名誉棄損で反訴提起すればゼロゼロで終わりそうだな、という気がします。上記の理由で、それ以上のことは踏み込んだことは言えません。
強要罪の成立については、まあ成立しなさそうだな、という気がします。
断定を避けているのは、何せ「火の元にご用心」と書いたはがきを送った行為が脅迫になるというびっくり判例があるので、文脈みて慎重に言わないと判断できないからです。
ちなみにこの判例は、市町村合併に伴い対立していた住民同士の抗争の一環で出された葉書で、状況から見て放火してやるぞという意味にしか取れず、実際受け取った方は寝ずの番をして警戒したという事例なので、判例自体は妥当なんですけど。
一見問題ない文言でも、状況や文脈を見ると脅迫や強要に当たる可能性を否定するのは困難なのです。

②については上記の理由で断言は困難です。ただ発信者情報開示は認められてしまう可能性はあるでしょうね。相手がそこまでやる可能性は低いですが。
ちなみに「アホ」「バカ」でも発信者情報開示が認められる可能性はゼロではないのでお気を付けください。

煮え切れない回答にお腹立ちかも知れませんが、御理解頂くことを祈るより他ありません。

迅速なご返信ありがとうございます。

お察しの通り、少しもやもやした気持ちで返信を読んでおりました。 
 というのも当初相手からほのめかされた時、こんなよくありそうな言い合いで本当に訴訟するのか?(同定可能性がないので、おそらく弁護士費用の方が高くつくであろうと思うし) そもそも、最初に仕掛けてきたのは相手ですし。 単なる脅しではないのか? また、これくらいで発信者情報開示が認められたら、開示請求が殺到して裁判所の業務に支障をきたすのではないか? 個人情報保護はどうなるのか? など、いろいろと疑問を抱いておりました。 ただ、可能性はとても低いものの、相手が相当な資産家で採算度外視の暇つぶし感覚で訴えてくるかもしれない、そうでなくとも、後学のために詳しく知っておこうと考えて、ここに投稿しました。 
 そして、最初の返信で「文言によるかと思います。断言できません。」と言われたので、文言を示せば専門家に断言してもらえるのか、とつい期待してしまいました。

せっかく無料相談に回答してもらっているにもかかわらず、佐藤弁護士のご気分を害してしまったのなら、申し訳ありません。

「断定的な回答できない可能性が高い」ということを承知したうえで、不足している情報をお伝えしますと、①、②こちらの口論とはほぼ関係ない時事ネタ(?)のようなものを語る動画で、A氏とB氏が語っていました(二人ともおそらく、一部では有名かと思います)。 その動画に私がA氏の振る舞いに関する批判を含めつつ、B氏を称賛するようなコメントをしました。 すると、動画の内容とは全く関係のない観点で唐突に私を小馬鹿にするような、嘲笑コメントを返信してきました。(その動画に関連する動画などでのコメント数が多いと指摘し、お前必死かよ(笑)みたいな感じの返信でした。) 私はA氏の支持者 (その後の執拗な返信から考えると、信奉者といった方がいいかもしれないです。) なのかな?と思いつつ、同じような調子で「はいはい、わざわざコメント数調べて、ご苦労(笑)」といったような書き込みでやり取りを終わらそうとしました。できませんでしたが。 つまり最初から動画内容に関係ない、こちらへの攻撃目的の返信でした。 
 ③youtubeのアカウント情報欄は、相手もこちらも白紙です。相手のアカウント名は、日本語ではなく、誰か特定するのは不可能であろう文字です。 こちらは一見、本名っぽい漢字(例:山田太郎)です。念のため両方共の名前を検索しましたが、相手は特定不可で、こちらはヒット数0件でした。(←同姓同名の有名人がもしいたら、罪になりましたか?)

「発信者情報開示が認められてしまう可能性はわずかながらあるものの、訴えられたら名誉棄損で反訴提起すればゼロゼロで終わりそうだな、という気がします。」 ←このような感じで十分ですので、ご回答よろしくお願いします。

ちなみにですが、「発信者情報開示は認められてしまう可能性はあるでしょうね。
「アホ」「バカ」でも発信者情報開示が認められる可能性はゼロではないのでお気を付けください。」 かなり稀なケースということでしょうが、これには本当に驚きました。実例をご存じですか? 

もうやりとりをスクリーンショットして見せてもらえないと断言は不可能なくらい微妙なやりとりですけど、まあ大丈夫なんじゃないかな、という気がします。同定可能性もきついし、意見の表明に過ぎないとも言えなくもないし。

「アホ」「バカ」については、安全とは到底言えないです。何せ「火の元にご用心」が文脈次第では脅迫だとみられる判例があるくらいですからね。繰り返しになりますが。後述する通りこの判例はネットのない昔の判例ですが、全く同じ事情で、判例の事案のように葉書ではなくネットでやれば発信者情報開示くらいは認められると思います。
ちなみにこの判例は最判昭和35年3月18日刑集14巻4号416頁です。もちろん発信者情報開示の裁判例ではなく、脅迫罪の成否についての判例です。

「アホ」「バカ」について示した裁判例は存じ上げませんが、東京地判平成25年4月25日は、スレッドの趣旨や他の文言との関係も踏まえてですが、「死神」「公衆便女」「A(請求者と同一性が認められる人物)がギロチンにかけられるショーが観たい人が多いだろうね」という書き込みが名誉感情侵害又は名誉毀損にあたることなどを理由に発信者情報開示を認めました。
他の裁判例や、文脈を把握する困難性、ネット情報開示の事態の流動性などを考慮すると、「アホ」「バカ」くらいでは大丈夫とはとても言えない状況です。

ご返信ありがとうございます。

前回の下から三つ目の質問 (もし私が設定したアカウント名と偶然、同姓同名の有名人がいたら、なりすまし等の罪になりましたか?) は、どうでしょうか?

また、「訴えられたら名誉棄損で反訴提起すればゼロゼロで終わりそう」 ←この部分に関して、反訴をする時おそらく一般人ではできないでしょうから、弁護士に依頼することになると思いますが、費用はやはり普通の依頼と同じように着手金、裁判費用、報酬金が掛かりますか?

ちなみに、東京地判平成25年4月25日って裁判のデータベースにありますか? サイトで検索しても見当たらないような気がするのですが。

この3点について、ご回答よろしくお願いします。

>前回の下から三つ目の質問 (もし私が設定したアカウント名と偶然、同姓同名の有名人がいたら、なりすまし等の罪になりましたか?) は、どうでしょうか?

同じ回答ばかりで申し訳ないですが、文脈によります。一般人から見てどうみてもなりすましているように見えるかどうかです。成りすます意思もないのに偶然同じ人がいた場合、たいていは成りすましているように見えないので大丈夫だと思いますけど。

>この部分に関して、反訴をする時おそらく一般人ではできないでしょうから、弁護士に依頼することになると思いますが、費用はやはり普通の依頼と同じように着手金、裁判費用、報酬金が掛かりますか?

弁護士によりますが、通常通り料金がかかることがほとんどと思います。簡単な仕事では全然ないので。

>ちなみに、東京地判平成25年4月25日って裁判のデータベースにありますか? サイトで検索しても見当たらないような気がするのですが。

どこのサイトご覧になったか分かりませんが、裁判所のサイトは地裁判決はあまり載っていません。
弁護士向けのデータベースだとTKCにあるのは確認しました。ウェストローにもあるようです。
この裁判例に限りませんが、発信者情報開示や名誉棄損の裁判例は、たいていTKCやウェストロー、判例秘書やD1-lawといった専門家向けデータベースじゃないと出てこないことがほとんどです。

ご返信、ありがとうございます。

一つ目と二つ目に関しては、やはりそうなんですね。 よくわかりました。

三つ目に関して、見たサイトは裁判所の判例検索で調べました。 予想通り、専門家じゃないと見られないんですね・・・。
 
 自分の中では、殺害予告のようなものは言うまでもなく、例を挙げていただいた「火の元にご用心」「ギロチンにかけられるショーが観たい人が多いだろうね」のような相手に対する攻撃を示唆したり、残虐的な表現は絶対にインターネット上で(現実でも)使ってはいけないと肝に銘じておりましたが、今回教えていただいた「軽微のように思える表現でも気を付けないといけない」というのは、大変勉強になりました。 やはり、相談してよかったです。

長く質問にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。