相続分から貸金の相殺と、その確定について

一人親がなくなり相続が発生いたしました。二人兄弟で私が親の財産を管理しており弟に財産を渡す形です。
弟には10数回にわたっての計数百万の貸金があり、借用証ありませんが、送金履歴や、全てではありませんが、貸金を無心するメールが残っております。現在調停中ですが、貸金は別途解決してくれと家栽に言われました。
弟は借用書がないのを良いことに貸金を反故にするつもりです。
相続額が決定した際には、貸金を引いた金額を支払う予定ですが、その際は貸金の請求書と領収書を渡せば貸金及び相殺が法的に確定するものでしょうか。

弟が、現時点で訴訟などを起こしてきた場合は貸金返還請求及び差し押さえなどの対抗処置を取るつもりですが、弟が現時点で何もせず、例えば、貸金の時効成立後に改めて弟が残りの相続分を請求してきた場合、支払い義務が生じるのでしょうか?
それとも繰り返しになりますが、現時点で相殺を確定できる方法があるのでしょうか?

なお弟の性格上、借用書、また相殺の同意書などに署名捺印させるのは難しい状況です。

お困りのようですので、お答えします。
貴殿の件のとるべき手続は、貴殿の弟に対する金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権を被保全債権とした仮差押え手続きです。
一般の方では、この手続きを行うのは難易度が高いと思いますので、弁護士に実際にご相談になってください。
貴殿の件は、弁護士に依頼するか否かで、具体的な結果が変わる可能性が非常に高いと思います。
良い結果になるよう、祈念します。

家裁では、貸金のことは判断しないので、もし貸金と相殺したい場合には、ご相談者様が弟さんに対して、貸金返還請求訴訟を提起して、貸金の有無及びその金額について確定させる必要があります。

調停については不成立にしてもらい、貸金返還請求訴訟を提起する必要があります。

一度、今後の対応や方針等について、弁護士にご相談されることをお勧めします。

調停・審判で、弟さんの相続分が確定すると、あなたに対し、相殺前の満額についてそれを強制的に取り立てることができます。
これを防ぐためには、貸金請求訴訟等を提起するなどして、あなたから、貸金の有無・金額を確定させる必要があります。
弟さんから何かしてくるのを待っていたら、ただ、取られるだけになってしまいます。

先生方、真摯なご対応ありがとうございます!
未確定分に対してはご指導いただいたように法的に対処したいと思います。
ちなみに一部借用書のある分もあるのですが、それらの分は勝手に差し引いて大丈夫なものでしょうか?後から未払い分として請求されたりはしないものでしょうか?
もしよろしければあわせて御教授ください。

親の財産を管理しているとありますが、親の財産がどのような形で遺産として存在するのか明確でないと、そもそも差し引けるのかどうかすら分かりません。
例えば、管理している財産が、被相続人名義の預貯金や不動産であれば、分割によって、弟がそれらの一部を取得するだけで、相殺という方法がとれないことは分かると思います。

申し遅れていてすみません。実は親から公正証書による遺言で、すべて私が相続して弟には遺留分を払う形です。他のご相談で相殺した分だけ払えば良いとのご回答を見たのですが、相殺したことの法的確定的なことはできるのでしょうか?
例えば貸金の時効が過ぎた頃に改めて弟が相殺した分を遺留分の未払い分として請求してきた場合何をもって相殺を証明すれば良いのでしょうか?

同じ金銭債権ですから、相殺は可能です。相手と訴訟外で協議して合意できれば、その合意に基づいて、相殺が確定します。相手が遺留分侵害額請求で訴えてきたら、相殺の抗弁で対抗しますが、訴訟で相殺の抗弁が認められば、それで法的には確定します。
時効がどう影響するかですが、時効完成前に相殺適状になっていた場合は、相殺は可能と考えられます。

先生方、お忙しい中誠にありがとうございました。皆様のご回答にあったように弟と合意できなければ貸金返還請求訴訟による差し押さえを行いたいと思います。
ベストアンサーは、皆様優劣つけがたく、また自分ごときが判断させていただく立場ではないので、単純に一番早くご回答いただいた佐藤先生につけさせていただきました。佐藤先生はじめそのほかの先生様方も、またサイト運営の皆様にも厚く御礼申し上げます。
また何かありましたらよろしくお願いいたします。