遠方の実家(奈良県)の家の前にある、公道にでるまでの道についての相談です。

実家の前に公道にでるための道がある。その道は自分のところを含め4世帯の住人が利用しているが、その道の所有権は、現在は家を購入した時に仲介した不動産会社になっている。(そのことは最近知った)
 
 一か月前、丁度実家に戻っていた時に、4世帯の中の1世帯の住人夫妻(以下、Aとする)がやってきて、
「最近、前の道の所有者である不動産会社の代表が破産した。そうなると前の道もどこに売られるかわからない。それならうち(A)に所有権を譲渡してもらい、管理したほうがまだ安心ではないかと考えた。
 実は約20年前、もし不動産会社になにかあったら、うち(A)が前の道の所有権を譲渡してもらう約束をしてもらっていて、契約書もある。
 不動産会社としては、前の道を使う全世帯が、Aに譲渡するのを同意するのであれば譲渡してもよいと言われたので、同意書に名前と三文判でいいので押印してほしい。もし同意してくれるのであれば、前の道にあるひび割れなどの補修費用などはうち(A)が出す。協力してほしい」と言ってきた。
 すでに住居地の自治体に、長年見てもらえていない前の道の下にある、水道管の工事ができるよう、話もしてきたと、主に妻のほうが話をしてきた。
 
 契約書は1枚で、平成11年3月1日付でAのご主人宛に向けて書かれており、そこにはA宅から公道に出るまでの通路の使用を認め、所有権を移転する場合、優先的にAに譲渡すると書かれていた。ただ該当する土地の表示の住所は、Aの住所になっており、前の道の住所ではなかった。 
最後に会社名 代表者 押印があり、Aの署名押印はない。

 同意書は、道を譲渡されたら公衆道路として管理する旨のことがかいてあり、Aの名前と三文判が押されている。すでに他の3世帯の住所は印字されており、名前と印鑑を押すだけになっていた。
 
 相談者本人は普段東京に住居していて、数か月に1度実家に戻っている状況である。
 当初は全員が同意するのであれば従うスタンスであったが、Aが言うには、既に他の2世帯にも話をしていて、1世帯は前向きであり、且つ、残りの2世帯にもちゃんと話を通す。
 あなたも滅多に実家に戻らないんだから、帰っている間にでもサインと印をお願いしたいと言われ、きちんと管理をしてくださるのであればと思い、先にサインと印を押してしまった。
 
 後日、話をしてあると言っていた世帯の奥様にこの件を話をすると、奥様は話を聞いておらず、残りの1世帯とも道の所有権譲渡には反対の姿勢だったが、1世帯のご主人がサインと押印をした模様。
 あと1世帯のみサインと押印がまだの状態である。
 
 Aは普段から、残りの2世帯が前の道に何か物を置いたりしていると、すぐに見つけては恫喝してくるとのこと。
 私はそんな状態だとは知らなかったので、先にサインと押印をしたことを浅はかだったと後悔している。

 そこで質問です。
・20年前に交わされた不動産会社との契約書は有効なのか?
・同意書は自筆で住所まで書き、実印を押さないと有効にはならないのではないのか?三文判でも押印した世帯に効力が発生してしまうのか?
・もしAに所有権譲渡となった場合の考えられるメリットとデメリット(特に費用の発生や道の使用の制限など)
・Aに所有権を譲渡しないとなった場合、今後考えられる前の道の扱いはどうするのがベストなのか?
 
 Aは不動産に関する法律をある程度理解(夫は不動産会社勤務経験あり 妻は宅建の資格を持っているとのこと)しているようなので、素人である残りの3世帯はどうすればよいのか、方向が見いだせずにいます。
 また主にA夫は、自分の意にならない人に対し恫喝したりするので、住民はA自体が普段からかなりのプレッシャーとなっています。
 なにか良いお知恵はないものか?と思い、こちらにご相談させていただきました。
 初めてのことなので失礼のこともあるとは思いますが、何卒ご指南のほどよろしくお願いいたします。

なにか良いお知恵はないものか?と思い、こちらにご相談させていただきました。

・・・土地の位置関係を調査・確認する必要があります。
分譲地で 道路が分譲会社の所有になっていたのであれば 囲繞地通行権が成立している可能性もあります。
弁護士に相談されるのがよいでしょう。

森田先生 ご回答いただきありがとうございました。
まさに先生の仰るとおり、道路は当時の分譲会社の所有になっています。

すでに囲繞地通行権が成立している状態だったのに、A以外の世帯はこれまで全く意識せずに使用していたのだと思いました。
お恥ずかしながら囲繞地通行権についてはあまり理解できていないので、まずは自分が理解できるよう調べます。

とにかくAの動向に対し、残りの3世帯が信用していないので、より事が複雑になっているのですが、今後も注意していきたいと思いました。
どうもお忙しい中、ありがとうございました。